El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

Audible

成瀬は天下を取りにいく Audible

西武、膳所、滋賀県愛にあふれる 成瀬は天下を取りにいく 作者:宮島 未奈 Audible Amazon <Audibleで聴いています>

じい散歩 妻の反乱 Audible

淡々と快活に、あとを憂うことなく日々を生きる じい散歩 妻の反乱 作者:藤野 千夜 Audible Amazon 主人公夫婦は夫が2歳上くらいで妻が先に死んだ(94歳?)夫は本書の終わりで96歳。すこぶる元気。主に妻が倒れて入院して退院してコロナ禍に肺炎になり(コ…

すべて真夜中の恋人たち Audible

川上未映子ワールドに没入 すべて真夜中の恋人たち 作者:川上 未映子 Audible Amazon しばらく時間がかかったが、川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」をAudibleで完聴した。いやあ・・いい。 女性にかぎらず、人間の生きづらさを正面から描いて、なおかつ…

テスカトリポカ

ナルコス+アステカ+臓器売買 テスカトリポカ 作者:佐藤 究 Audible Amazon メキシコ麻薬戦争+世界のナルコス(=ドラッグ・マーケット)、そこに関わる日本人、そんな群像をフィクションで読む。フィクションながら、いやフィクションだからこそ、以前読ん…

黄色い家 Audible

とにかく凄い!川上未映子にしか書けない女子目線の底辺小説 黄色い家 作者:川上 未映子 Audible Amazon 女子目線の底辺小説。このジャンルはいままであまりなかった。 ともかくリアリティがある。川上未映子はwikiによると「大阪府大阪市城東区に生まれる。…

激安ニッポン Audible

シロウト目線・・・ 激安ニッポン (マガジンハウス新書) 作者:谷本 真由美 Audible Amazon かなり近視眼的な本。激安ニッポンであることは確かだが、原因は著者が言うような「長年の企業・役所の生産性の低さ」や「イノベーションのなさ」というよりは、長年…

むらさきのスカートの女 Audible

ふしぎな味わいだが・・・ むらさきのスカートの女 作者:今村 夏子 Audible Amazon 叙述トリック?芥川賞は・・なぜ?でいいのかも。 メフィスト賞、でもないか。とはいえ、この後おなじAudibleで「黄色い家」(川上未映子)を聴いてみると、西村賢太の書く…

心淋し川 Audible

千駄木を舞台に江戸下町の日常連作 心淋し川 作者:西條 奈加 Audible Amazon Audibleで聴いています。40年前、20代の終わりころ、医科歯科大の大学院に行くことになって博多から引っ越してきたのが「千駄木」。根津の日本医大病院の裏手で、まさにこの連作時…

凍える牙 Audible

火曜サスペンスレベル・・・ 凍える牙 作者:乃南 アサ Audible Amazon うーん、最初の人間発火でその後の展開に期待したがだんだんグズグズな展開になってしまうし表現は冗長だしで、これで直木賞? まだ10%ほど残しているので、最後の最期で精神科の主治医…

しょうがの味は熱い Audible

ギブ・アップ しょうがの味は熱い 作者:綿矢 りさ Audible Amazon 女性が聴いたらもっと心にひびくのかもしれないが・・・。いわゆる恋愛症候群というか恋愛至上主義の女性のモノローグが続くのがつらい。こじらせ女子を俯瞰的にみれている「勝手にふるえて…

かわいそうだね Audible

若い女性を描かせれば当代一! かわいそうだね? 作者:綿矢 りさ Audible Amazon 「かわいそうだね」・・・「かわいそう」と考えることの不遜さ?そう考えることでの自己正当化(かわいそうだから・・・してあげなくちゃ)なんてやっているとじりじりと押し…

上流階級 富久丸百貨店外商部(その1)Audible

神戸の百貨店外商部が舞台 [1巻] 上流階級 富久丸百貨店外商部: (小学館) 作者:高殿 円 Audible Amazon 百貨店外商部がどんな仕事をしているのか手に取るようにわかる本。あわせて阪神間のいわゆる上流階級の生態もわかる(ような気がする)。モデルは大丸…

木挽町のあだ討ち <Audible>

Audibleで聴きました。まあ、ありきたり。 木挽町のあだ討ち 作者:永井 紗耶子 Audible Amazon 出だしは「吉原手引草」と区別がつかないんだが・・・。・・・ と、書いたが、最後まで聴いてみて、まあ結局は同工異曲という感じだった。どうも時代物の直木賞…

Amazon Audible 2023年のまとめ

2023年のAudibleのレポートが届いた。年間17730分=295時間、1日あたり48.6分。職場へ徒歩で25分程度なので、まあ日々、往復の時間はAudibleを聞いたことになる。生活の一部にはなってる。

じい散歩 <Audible>

こんな90代なら、なってみたい・・ じい散歩 作者:藤野 千夜 Audible Amazon 藤野千夜(ふじの・ちや)さん、60代の女性芥川賞作家らしい。評判の「じい散歩」がAudibleに入ったので聴いてみることに。内館牧子の老人小説シリーズのあざとさに辟易しており、…

グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない Audible

「君たちはどう生きるか?」という問いそのものが間違い! グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない 作者:ロバート・ウォールディンガー,マーク・シュルツ,児島 修 (翻訳) Audible Amazon 「人生を幸せにするのは何?」最初の1時間で答えを教えて…

勝手にふるえてろ Audible

綿矢りさワールドにはまる! 勝手にふるえてろ 作者:綿矢 りさ Audible Amazon Audibleは唐田えりかちゃんの朗読がなかなか良かった・・・けれど、ちょっと暗くなりがちかな。で、途中から松岡茉優主演の映画(Prime Video)に切り替えて観てしまった。映画…

嫌いなら呼ぶなよ Audible

コロナ禍の困ったチャンたち 嫌いなら呼ぶなよ 作者:綿矢 りさ Audible Amazon 綿矢りさ、「インストール」「蹴りたい背中」が2000年前後だったような、最年少でいろいろな文学賞をもらっていたような。常に「今の最先端の若者風俗」を取り上げてくれている…

銀河鉄道の父 Audible

父親として身につまされる・・・ 銀河鉄道の父: (講談社文庫) 作者:門井 慶喜 Audible Amazon 宮沢賢治は37歳で結核死したし、生前はあまり評価されることがなかったので、その伝記は賢治を中心に据えると座りが悪い。そこをこの作品では賢治の父・政次郎の…

Kindle出版の時給 Audible

新NISA、HowTo本からこちらへ・・・著者の思うつぼ!? Kindle出版の時給: 副業の時給。考えたこと、ありますか? キンドル出版戦略大全 作者:浅見 陽輔 Amazon 新NISAのHow To本をAudibleで聴いてみると、その著者は銀行員で副業的にKindle出版をやり、試行…

図解 新NISA制度 投資初心者でもよくわかる!

How To本をAudibleで聴いてみる 図解 新NISA制度 投資初心者でもよくわかる!現役銀行員・証券アナリストが教える 2024年 税制改正対応版: つみたて投資枠・成長投資枠とは?資産所得倍増プランって?NISAの恒久化・無期限化とは?非課税制度を使って資産形…

息吹 <Audible>

平野啓一郎の作品としては? 息吹 作者:平野 啓一郎 Audible Amazon この中編小説はAudibleオリジナル。つまりAudibleのために書き下ろされたものらしい。掌編と言っていい長さでそれほど複雑な構成ではなく聴きやすいのではあるが・・・うーん、意図はわか…

中国史とつなげて学ぶ 日本全史 Audible

世界史⊃中国史⊃日本史 と集合関係で学ぶ 中国史とつなげて学ぶ 日本全史 作者:岡本 隆司 Audible Amazon <Audibleで聴きました>著者は中国近代史の専門家ということで清朝末期から現在の間の歴史に重点が置かれている印象。日本 VS 中国というふうに2国間…

世界史とつなげて学ぶ 中国全史

歴史的多元性 vs. 国民国家 世界史とつなげて学ぶ 中国全史 作者:岡本 隆司 Audible Amazon 岩波新書「曽国藩」の文章の明晰さ、歯切れの良さに感心して著者・岡本 隆司氏の他の著作を調べてみるとAudibleに作品があった。さっそく聴き始めた。面白い。しか…

微笑む人 Audible

サイコパス? 微笑む人 作者:貫井 徳郎 Audible Amazon <Audible>で聴いています。E.トッドは紙の本で読むことにしたので、徒歩通勤で聴きながらでも楽しめるレベルということでセレクト。ちょっと聴いた感じではサイコパス犯罪者もの?→ 結構面白くて、結…

我々はどこから来て、今どこにいるのか?(上)

面白いがAudibleでは消化不良!(→紙の本へ) 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上 アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか 作者:エマニュエル・トッド,堀茂樹・訳 Audible Amazon 出だしの数十分を聴いただけでもかなり面白い。「アングロサクソン系…

ネット右翼になった父 <Audible>

「ネット右翼になった父」という思い込みからの解放の物語・・・ ネット右翼になった父: (講談社現代新書) 作者:鈴木 大介 Audible Amazon 「ネット右翼になった父」というタイトルにしかけがあって、最初は「そういう、右よりの高齢者っているよね~」なん…

韓国 行き過ぎた資本主義

「無限競争社会」って・・・ 韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩: (講談社現代新書) 作者:金 敬哲 Audible Amazon 韓国の人生ってこんなに大変なのか!? 幼児期からの受験勉強→大学に入ってもハードルが高い就職・結局は公務員→50代での定年な…

ゲームの王国 下 <Audible>

確かに傑作、ストーリーも哲学も重層的すぎて・・活字で読みたい。 ゲームの王国 下 作者:小川 哲 Audible Amazon Audibleに聴き入ってしまうおもしろさ。「記憶と人生」「歴史と人生」「人生というゲーム」いろんな切り口で読める。レトリックも巧み。上巻…

ゲームの王国 上 <Audible>

小説でこそ伝わる ポル・ポトのカンボジア ゲームの王国 上 作者:小川 哲 Audible Amazon 「地図と拳」で1月に直木賞を受賞した小川哲の作品からポル・ポト時代のカンボジアを舞台にしたSF(どこがSFなのかは読んでみなけれわからない)をAudibleで聴くこと…