El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

祝!完結「私の本棚」3シリーズ 全36回 index

医学系サイトm3に長年連載してきた「私の本棚」シリーズ全3シーズンがこのたび完結。全36回足掛け5年、毎回m3の編集部による丁寧な校正のおかげもあって、読みやすく、読みごたえあり(?)全36回分のindexを下記に。 〇第1シーズン「私の本棚」(2019.8.8~…

「新・私の本棚」全12回完結しました!

医学情報サイトm3に連載していた「新・私の本棚」、予定の12回が完結しました。 https://membersmedia.m3.com/authors/322#/ ←会員のみ閲覧可能のため、こちらのブログにその都度転載してきました。祝・完結ということで12回分のラインナップをまとめておき…

新・私の本棚 (12)記憶と忘却の関係性とは…

https://membersmedia.m3.com/articles/10269#/ 記憶と忘却の関係性とは…医師が学ぶ「記憶研究」の現在地 65歳すぎの元外科医ホンタナが、一般向け医学書籍の中からテーマごとに3冊をセレクト、同世代の医師に紹介するブックレビューのサード・シーズン「新…

ダーウィンの呪い

「進化論」がいかにたやすく優生学に堕落するか ダーウィンの呪い (講談社現代新書) 作者:千葉聡 講談社 Amazon <読書中> 全12章は前後でくっきりと2分されている。前半で・・・ 日本語の「進化」という言葉には「進」という字が使われているために「進化…

東京都同情塔

うーん、言葉遊び 東京都同情塔 作者:九段理江 新潮社 Amazon 文学、それも芥川賞寄りの「純文学」とはもはやこんな形なのか。SNSと生成AIを盛り込んで「言葉」をテーマに、と思いきや、言葉→バビロンの塔→塔→建築家となって、妙に言葉に拘泥する女性建築家…

終わらない週末

週末に終末がきたのだけど、なかなか終わらない 終わらない週末 作者:ルマーン アラム 早川書房 Amazon 映画の「アルマゲドン」のような世界の終末を描いた物語がある。本書も世界の終末の姿を描いたものと言ってもいい。しかし、ここではアルマゲドンのよう…

ブックガイド(121)ー疲労と疲労感は別ものー

https://uuw.tokyo/book-guide/ 疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた (ブルーバックス) 作者:近藤一博 講談社 Amazon 気楽に読める一般向けの本で、アンダーライティングに役立つ最新知識をゲットしよう。そんなコンセプトのブックガイドです。第12…

パッキパキ北京

綿矢りさ熱が昂じて、買ってしまったけれど パッキパキ北京 (集英社文芸単行本) 作者:綿矢りさ 集英社 Amazon 「綿矢りさ熱」が昂じて買ってしまったが、も少しハチャメチャを期待していただけに少し残念。綿矢りさ自身の北京滞在記をちょっとヤンキーに色付…

心淋し川 Audible

千駄木を舞台に江戸下町の日常連作 心淋し川 作者:西條 奈加 Audible Amazon <Audible>Audibleで聴いています。20代の終わりころ、医科歯科大の大学院に行くことになって博多の大学近くのアパートから引っ越してきたのが「千駄木」。根津の日本医大病院の…

疲労とはなにか

ノーベル賞級の発見・・・というけれど、どうなの 疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた (ブルーバックス) 作者:近藤一博 講談社 Amazon この本の内容について検索すると「ノーベル賞級の発見」と絶賛するものもあるが、それら絶賛は、この著者周辺…

Fontana’s Cinema Paradiso:ホンタナ氏の映画天国

映像関係の記事を別ブログにまとめました↓ これまで映像関係のレビューは日記にメモだけ書いて、そのうち☆星5つの評価のものだけこの読書ブログにも記載していました。 次第に、セミリタイアみたいな生活パターンになる中、映画系のサブスクも増え、映画館も…

凍える牙 Audible

火曜サスペンスレベル・・・ 凍える牙 作者:乃南 アサ Audible Amazon うーん、最初の人間発火でその後の展開に期待したがだんだんグズグズな展開になってしまうし表現は冗長だしで、これで直木賞? まだ10%ほど残しているので、最後の最期で精神科の主治医…

水車小屋のネネ

パラダイス、ロスト あるいは・・・ 水車小屋のネネ 作者:津村 記久子 毎日新聞出版 Amazon 500ページ弱と結構長い小説だけどするすると読ませる。新聞連載だったみたいで、「朝ドラ」的。北関東のどこかとおぼしき内陸の小都会が舞台。ただし、オウムという…

しょうがの味は熱い Audible

ギブ・アップ しょうがの味は熱い 作者:綿矢 りさ Audible Amazon 女性が聴いたらもっと心にひびくのかもしれないが・・・。いわゆる恋愛症候群というか恋愛至上主義の女性のモノローグが続くのがつらい。こじらせ女子を俯瞰的にみれている「勝手にふるえて…

かわいそうだね Audible

若い女性を描かせれば当代一! かわいそうだね? 作者:綿矢 りさ Audible Amazon 「かわいそうだね」・・・「かわいそう」と考えることの不遜さ?そう考えることでの自己正当化(かわいそうだから・・・してあげなくちゃ)なんてやっているとじりじりと押し…

恥辱

修羅の国、南アフリカで生きるということ 恥辱 (ハヤカワepi文庫) 作者:J.M. クッツェー 早川書房 Amazon 歴史的にも絶え間ない混乱と闘争の南アフリカ。アパルトヘイトが廃止されマンデラが黒人初の大統領となったのはつい最近のような気がしていたが、1994…

地霊を訪ねる もうひとつの日本近代史

大人の遠足・・・やっと読了 地霊を訪ねる ――もうひとつの日本近代史 (単行本) 作者:猪木 武徳 筑摩書房 Amazon まず装丁(川瀬巴水の版画)がいい! プラクティカルな経済学者・猪木武徳先生がPR誌「ちくま」に連載していた「地霊を訪ねる」シリーズが27回…

上流階級 富久丸百貨店外商部(その1)Audible

神戸の百貨店外商部が舞台 [1巻] 上流階級 富久丸百貨店外商部: (小学館) 作者:高殿 円 Audible Amazon 百貨店外商部がどんな仕事をしているのか手に取るようにわかる本。あわせて阪神間のいわゆる上流階級の生態もわかる(ような気がする)。モデルは大丸…

我々はどこから来て、今どこにいるのか?(下)

我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源 作者:エマニュエル・トッド 文藝春秋 Amazon <読書中>(古書購入本)

我々はどこから来て、今どこにいるのか?(上)

絶対的核家族化がすすむ日本の未来もまた修羅? 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上 アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか 作者:エマニュエル・トッド 文藝春秋 Amazon これまで「最も新しい」と思われてきた「核家族」が、実は「最も原始的」であり…

役所広司主演2タイトル:BS松竹東急(無料!)

BS松竹東急という無料で全番組見られるBSのチャンネルがある。ときどきアマプラでは見られない名作映画をやっている。1月末から黒沢清監督作品3作放映!うち2作は役所広司が主演。もう20年以上も昔の作品だけど心に残っている。後味は良くないが、それがまた…

2024年定期購読雑誌 まとめ

今年は4種の雑誌を紙で定期購読することに。d-マガジンで読める雑誌も増えたけどやはり紙の雑誌をパラパラめくるのもイイんだよね~。 ① 本の雑誌・・・すでに10年目くらい?すっかりライフスタイルに溶け込む。 ② Newton・・・理系の老後はNewtonでしょう。…

木挽町のあだ討ち <Audible>

Audibleで聴きました。まあ、ありきたり。 木挽町のあだ討ち 作者:永井 紗耶子 Audible Amazon 出だしは「吉原手引草」と区別がつかないんだが・・・。・・・ と、書いたが、最後まで聴いてみて、まあ結局は同工異曲という感じだった。どうも時代物の直木賞…

異常(アノマリー)

引き込まれ、解体され、消滅させられる・・・そんな読書の悦楽! 異常【アノマリー】 作者:エルヴェ ル テリエ 早川書房 Amazon こんな小説に出会えてハッピー、と思える仕上がり。3つのパートに分かれている。以下、第2部以降のレビューにはネタバレあり(…

ブックガイド(120)ー看取りの現場から ー

https://uuw.tokyo/book-guide/ 「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか (講談社文庫) 作者:石飛幸三 講談社 Amazon 気楽に読める一般向けの本で、アンダーライティングに役立つ最新知識をゲットしよう。そんなコンセプトのブックガイド…

Amazon Audible 2023年のまとめ

2023年のAudibleのレポートが届いた。年間17730分=295時間、1日あたり48.6分。職場へ徒歩で25分程度なので、まあ日々、往復の時間はAudibleを聞いたことになる。生活の一部にはなってる。

じい散歩 <Audible>

こんな90代なら、なってみたい・・ じい散歩 作者:藤野 千夜 Audible Amazon 藤野千夜(ふじの・ちや)さん、60代の女性芥川賞作家らしい。評判の「じい散歩」がAudibleに入ったので聴いてみることに。内館牧子の老人小説シリーズのあざとさに辟易しており、…

55歳からのハローライフ

わたしはあなたの人生の一登場人物、ではない! 55歳からのハローライフ (幻冬舎文庫) 作者:村上 龍 幻冬舎 Amazon 仕事人間から普通の人間に、ということでハローワークならぬハローライフ。2011年頃に新聞連載された5編の連作集なので時代的にまだ「55歳」…

うまくてダメな写真と ヘタだけどいい写真

プロの意見の本質は(たぶん)どの分野でも同じ うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真 (一般書) 作者:幡野 広志 ポプラ社 Amazon 玉石混交(ほとんどが石)のYouTuberがカメラメーカーから何らかの便宜を受けてやっているようなカメラ紹介やそれに少し撮…

秘密の知識 巨匠も用いた知られざる技術の解明

チコちゃん風に言うと「なぜ印象派が出現したの?」→答え「写真ができたから」 秘密の知識 巨匠も用いた知られざる技術の解明 作者:デイヴィッド ホックニー 青幻舎 Amazon 科学と美術の絶妙な関係。超絶!おもしろい! 卒業アルバムや画集のような大型の本…