El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

コード・ブッダ 機械仏教史縁起

意識と身体=ソフトウェアとハードウェア という視点

わたしが今感じているわたしは、わたしという存在ではなく、わたしというハードウェアの上で実行されている制限されたわたしであるにすぎない。わたしは、自分をわたしであると感じるように構成されたソフトウェアであり、わたしを構成するハードウェアが許容する範囲でそう感じているに過ぎない(P5)<読書中>

怪人 江戸川乱歩のコレクション

とんぼの本

すごく緻密でねちっこいところが意外。家にしても、土蔵(=書庫:表紙写真)にしても、キッチリ計画立てて、整理して、それをまた編集し直して、整理して、と、そういう作業自体が好きだったというのがよくわかる。

その上にあの創作力なのだから、やはり別格の人だったのかな。この家は池袋にあって、立教大学が管理しておりいくらかは拝見できるらしい(現在は改修工事中で2025年1月~見れる?)

自分自身、キッチリ感を失くしそうな時にこの本を読むと気合が入る。

運は遺伝する

「親ガチャ」の本質は「遺伝ガチャ」

当たり前が、公言できるようになってきた・・・<読書中>

「親ガチャ」という言葉があって、親の職業や収入によって子どもの将来が左右されるという話なのだが、なんとなくボンヤリ、それは親の職業や収入という環境要因の差で将来が左右されるのは不公平、という感覚で使われているようだ。

ところが、本質はそんな職業や収入以前の問題として、親から受けつぐ遺伝形質のほうが、子どもの将来に大きく影響することは・・・たぶんみんなわかっているよね。でも、「それをいっちゃあ、おしまいだよ」ということになっている(のでは?)。

知能や性格や容姿も遺伝の要素が大きいというのは、みんなわかっている。でもタブーだったんだ。<読書中>

英国のOFF 上手な人生の休み方

どんなOFFタイムが理想だろう

なにげに好きな新潮社「とんぼの本」シリーズ。寝る前にボンヤリ写真付きの文章を読むと心が和む。カタログを眺めて時々何冊か買っている。今回読んでいるのは「英国のOFF 上手な人生の休み方」。ロンドン在住20年の著者が下町ロンドンっ子にとってのOFFタイムを紹介してくれる。

嗤う淑女 Audible

クセになる・・・中山七里

御子柴礼司シリーズで「満腹」といったものの、ほかにこれといって聴きたいものがないとき、なぜか選んでしまう中山七里。しかし、著者は下世話なことまでよく知ってるな、と思う。ある意味、子供じみた人物設定だったり、事件構成だったりするが、それこそが「売れる」ということなのだろう。

大衆時代小説や大衆サスペンス小説の大家で、明らかにカネのために書いているけど、「大衆」読者がはまってしまって、大儲けというパターンが確かにある。それはそれで才能ではある。

キネマ旬報 2024年9月 河合優実特集

河合優実の時代はもう、はじまっていたんだ。

「ふてほど」「あんのこと」「ナミビアの砂漠」「かぞかぞ・・」いろんなキャラを演じて、そのどれもが演技とは思えない!かわいい、と思えばブス顔も似合うし、健康的と思えばセクシー!まさにカメレオン。そんな河合優実の特集号なので思わず買ってしまった。どんな成長をしていくのか・・・どこまで追えるかわからないが、楽しみに。