El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

ほんとうの中国

冷静に中国人の人生観を理解する

習近平ー高市のバトルもあって、日中関係の険悪な状態が固定化しつつある。まあ、歴史的にみれば「日出るところの天子、日沈むところの天子に・・・」時代から、日本と中国はかみ合わない関係のことがほとんどだった。

ところが1980年頃からの鄧小平時代から習近平時代の前半の2020年頃までは友好ムードが高まり、日本企業の中国進出がブームになったりもした。わたしが仕事で上海に1週間ほど滞在したのもそのころ。

ところが、中国の急激な富裕化、IT化がすすんで、あっという間に日本が抜かれる立場になると、今度は逆に日本にやってくる中国人が増えて・・。

一方で、2020年代は習近平の独裁化・皇帝化がすすんだところでの、中国不動産バブルの崩壊、EV、AI、AIロボットとなって、中国がどうなっていくのかかなりわかりにくい状態になっている。

日本で見られるSNSやYouTubeでも、嫌中系が9割くらいで、どこからが正しい情報なのかわかりにくい。

と、いうことで、もう少し時代に左右されない中国人の本質部分を伝えてくれるのが本書。島国日本と、大陸中国では、そもそもの人生観がかなり違う。見た目がすごく似ているのに、その違いには驚くばかり。お互いに、自分の目・アタマで相手のことを見てるので、それは誤解するだろうとよくわかる。目からうろこ!

習近平73歳、プーチン73歳、トランプ80歳・・・私69歳なので、南海トラフ地震に遭遇する可能性よりも、これらの政治リーダーの死に遭遇する確率はかなり高い。その中でもっとも影響ありそうなのは、やはり隣国、習近平か。

習近平後の中国って予測がつかない。似たような独裁者が出てくるのか、歴代王朝の末期のように、大荒れに荒れて大量の難民が発生するのか。うーむ。

ストーンサークルの殺人 Audible

Audibleには、このあたりがちょうどいい!

イギリスの警察ものって独特の味わいがあるよね。エグいシーンの描写なども妙にドライ。でもなんかしっくりくるのは、同じような島国だからだろうか?

刑事ワシントン・ポーのこのシリーズは時間の倒叙など、ややプロットが複雑なのでAudibleで聴いて???となり、聴きなおすことも多い。

日本語は、漢字かな交じりで意味を伝えるというメカニズムなので、ちょっと込み入ってくると音声だけでは難しい面もある。そう考えると、入門段階はいいとしても、これ以上に複雑なものは難しいか。

コンテナ物語

目から鱗!コンテナが変えた世界!

今ではコンテナ以外の輸送方法を考えづらいほどではあるけれど、コンテナが世の中に現れたのが1956年頃、つまり私とほぼ同じ歴史しかない。そこから数十年かけて世界の輸送の主役になった。

中国の台頭もコンテナによる輸送コストの大幅な低廉化の結果という側面が大きい。九州の工場からトラックで運ぶくらいなら中国から船で運んだほうが安い・・・

コンテナはその発展経過の中で港湾労働を完全に塗り替えてしまった。コンテナ以前は、沖合ではしけに荷物を人力で移しそれを陸揚げして倉庫に運ぶ、その港湾における荷役作業が輸送コストの30%以上だった。肉体労働としての荷役、つまり沖仲仕の時代を終わらせてしまったわけで、その労働変化が、例えば神戸では暴力団を生んだりしたわけだ。つまり、コンテナと港の暴力団には歴史的因果関係があるということ。

それにしてもコンテナ輸送の創始者ともいうべきマルク・マクリーンの生涯も壮絶。最後まで起業にこだわって破産してしまう。

いろいろ読みどころのある名著。

新書 世界現代史 Audible

ストロング・マンの世界

ソ連の崩壊で西欧型民主主義が地球を覆う・・・なんて能天気なこと言っていた時代が20世紀の終わりにありました。それから30年、トランプ、習近平、プーチンの隠し砦の三悪人(?)だけじゃなく、ネタニヤフ、エルドアンなどなど、強権的な政治家が跋扈する時代になりました。

そうなってくると、民主主義、民主主義で何を決めるにも議論のための議論に時間ばかりかかっている国々は右往左往・・・そんな現実を生きるわれわれ。そういう状況がよくわかる一冊でした。