El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

2012-01-01から1年間の記事一覧

日米戦争はなぜ勃発したか

あの戦争は人口爆発によるものだった・・・ 日米戦争はなぜ勃発したか―メシの問題からみた昭和史と現代日本 作者:高橋 英之 メディア: 単行本 タイトル通り日米戦争を取り上げているものの、後発近代化→人口増大+階級格差→庶民の食料不足→対外進出圧力→非理…

昭和の妖怪 岸信介

昭和の妖怪 岸信介 (中公文庫) 作者:岩見 隆夫 発売日: 2012/11/22 メディア: 文庫 「昭和の妖怪 岸信介」を読む。偉人とはなんぞやー。その局面局面の動き、包括的な物事の進め方など、参考にすべきところは多い。

卵をめぐる祖父の戦争

レニングラードでケーキ作り 卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV) 作者:デイヴィッド ベニオフ 発売日: 2011/12/05 メディア: 文庫 「卵をめぐる祖父の戦争」を早川ポケミスで読む。今と過去との連関が面白く作ってあって、それを感じるときになにか暖か…

思考のレッスン

何冊も持ってます 思考のレッスン (文春文庫) 作者:丸谷 才一 発売日: 2002/10/10 メディア: 文庫 やはり、この道。丸谷才一の「思考のレッスン」を深夜に読み直し始める。いちいち感じ入ることの多い本であり、丸谷の創作や評論の方法論がかかれている。ど…

受験の国のオリザ

ペルソナ使い分け 受験の国のオリザ 作者:平田 オリザ メディア: 単行本 平田オリザ、この人の言うことは面白い。演劇に還元して語るのだが、ペルソナを演じることと、その人になりきることとどちらがいいか?これまでの日本では後者、つまり誠心誠意タイプ…

日の名残り

本だけのほうが良かったか・・微妙 日の名残り (ハヤカワepi文庫) 作者:カズオ イシグロ 発売日: 2001/05/01 メディア: 文庫 カズオイシグロ「日の名残り」読了。映画も録画しているがまだ見ていない。小説では執事の執事なりの滑稽感もあるがそれは映画でパ…

暇と退屈の倫理学

暇と退屈の倫理学 作者:國分 功一郎 発売日: 2011/10/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) 「暇と退屈の倫理学」読了。非常に良かった。という、素直な印象。著者の知性にも感心。頭がいいのに思考がスキップせずに一歩一歩論理を積み上げていく。結論とし…

銀座復興

業界人の東京ー大阪往来と震災、似てはいる 銀座復興 他三篇 (岩波文庫) 作者:水上 滝太郎 発売日: 2012/03/17 メディア: 文庫 水上滝太郎の「銀座復興」を読了。3.11に関連した震災本ではあるが、やはり、関東大震災のときも同じような惨事だったのだと…

女子大生、渡辺京二に会いに行く

困難を糧に 女子学生、渡辺京二に会いに行く (文春文庫) 作者:京二, 渡辺,津田塾大学三砂ちづるゼミ 発売日: 2014/12/04 メディア: 文庫 「女子大生、渡辺京二に会いに行く」を読む。彼の子供がひどい自閉症で施設に入っていることを知る。それもまた人生。

生きるための経済学

創発とは・・・? 生きるための経済学 〈選択の自由〉からの脱却 (NHKブックス) 作者:歩, 安冨 発売日: 2008/03/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) 「生きるための経済学」を一通り読了。理解はあくまでもなんとなくーのレベルでしかない。図書館本という…

原発危機と東大話法

この著者はやはり少し変わってるのでは? 原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語― 作者:安冨 歩 発売日: 2012/01/07 メディア: 単行本 「原発危機と東大話法」を読む。面白いのだが、ブログの引用を論破していくことの連続でややうんざり。発想は…

成功する読書日記

成功する読書日記 作者:鹿島 茂 メディア: 単行本 「成功する読書日記」鹿島茂を一気に読了。まずは、読んでみたい、買ってみたいという本をリスト化

黒船前夜 ほか

2回目入院中で渡辺京一ばかり読んでいた 黒船前夜 ~ロシア・アイヌ・日本の三国志 作者:渡辺 京二 発売日: 2010/02/02 メディア: 単行本 以下は抜書き 18世紀において日本北辺の海域は南北極を除けば世界地図に残る唯一の空白地帯だったのである。(68P)この…

山河ありき

腹芸ジャパン 明治の武人宰相 桂太郎の人生 山河ありき (文春文庫) 作者:古川 薫 発売日: 2002/12/06 メディア: 文庫 桂太郎伝「山河ありき」を読む。やっぱりというか、だからこそというか、政権の中枢でも「腹芸」なのか。腹芸使うには準備も必要、気概も…

ティエンイの物語

ティエンイの物語 作者:フランソワ・チェン 発売日: 2011/09/10 メディア: 単行本 毛沢東が中国人にしてしまったことの酷さを再認識する。それをたんたんと書いてはいるのだが、どうしても主人公たちの人生よりも迫り来る毛沢東的恐怖が何倍も印象的だ。こん…