El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

それでも読書をやめない理由

ネット社会との付き合い方 それでも、読書をやめない理由 作者:デヴィッド・L. ユーリン 発売日: 2012/02/01 メディア: 単行本 電子書籍がらみかと思っていたが、どちらかというとネットに蹂躙された社会批判とその中での読書生活についてあれこれ論じる。 …

潮目の予兆

文系学者の悲哀 潮目の予兆――日記2013・4-2015・3 作者:原 武史 発売日: 2015/08/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) 「潮目の予兆」(原武史・図書館本)を昨夜から読み始め午前中に読了。いくつかのキーワードで言えば、皇室がらみの政治学、鉄道趣味、書…

「社会(コンヴィヴィアリテ)」のない国、日本

社会のかわりに会社がある国 「社会」のない国、日本 ドレフュス事件・大逆事件と荷風の悲嘆 (講談社選書メチエ) 作者:菊谷和宏 発売日: 2015/03/27 メディア: Kindle版 「「社会(コンヴィヴィアリテ)」のない国、日本」(菊谷和宏・図書館本)読了。今日…

近代の呪い

大衆のルサンチマン 新書700近代の呪い (平凡社新書) 作者:渡辺 京二 発売日: 2013/10/15 メディア: 新書 「近代の呪い」(渡辺京二)を電車で読み直している。ほぼ読了。結局は、大多数を占める、それであるがゆえに満たされない、そんな大衆の少数な豊かな…

世界の辺境とハードボイルド室町時代

勝ったものがみなもらう 世界の辺境とハードボイルド室町時代 (集英社文庫) 作者:高野 秀行,清水 克行 発売日: 2019/05/17 メディア: 文庫 けっこうおもしろい。二人の語り手の人生も見えてきたりして。彼らの書いたものも読みたい。日本の中古車しか海外に…

街道をゆく オランダ紀行

ゴッホへの旅 街道をゆく〈35〉オランダ紀行 (朝日文芸文庫) 作者:司馬 遼太郎 発売日: 1994/11/01 メディア: 文庫 街道をゆく オランダ紀行、深夜に読了。ゴッホのことがよくわかる。ゴッホの弟テオとその妻マチルダ、彼らなくしてゴッホは残らなかったとい…

服従

近代西洋社会は進化論的には畸形である という寓話 服従 (河出文庫 ウ 6-3) 作者:ミシェル・ウエルベック 発売日: 2017/04/19 メディア: 文庫 フランスにイスラム政権誕生というプロットであるが、本質的には、キリスト教的(あるいはウェーバー風にプロテス…