El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

西行

プチ・西行ブーム? 西行 (新潮文庫) 作者:正子, 白洲 新潮社 Amazon NHKが深夜に過去のドキュメンタリーを再放送しているのだが、先週は白洲正子特集といった趣で三日間の番組だった。その初日が「西行と明恵」。西行に関しては、興味はあるのだが、妙につ…

リンカーン弁護士 復活の歩み

修羅の国に生まれなかった幸せ! 復活の歩み リンカーン弁護士(上) (講談社文庫) 作者:マイクル・コナリー 講談社 Amazon 復活の歩み リンカーン弁護士(下) (講談社文庫) 作者:マイクル・コナリー 講談社 Amazon ボッシュも70代でがん(多発性骨髄腫?…

まるごとわかる合同会社設立と運営の教科書

そこまでは、やらずとも!? まるごとわかる! 合同会社設立と運営の教科書 作者:中村 真由美 ナツメ社 Amazon 副業の拡大のことを相談すると多くの場合いわれるのが「法人化」なのだが・・・メリデメ押さえてみると、自分にとっては法人化による「信用度のア…

思い出トランプ Audible

アイロニーに満ちた世界観だったのか 向田邦子作 思い出トランプ 作者:向田 邦子 Audible Amazon <Audible>台湾の飛行機事故でなくなった向田邦子さん、聴きやすいのだが、人間の裏側をえぐるような皮肉の部分がするどすぎて、いい気分では聴いていられな…

大阪関西万博ぴあ

6月17日万博なう、消耗した、そしてコロナ! 大阪・関西万博ぴあ ぴあ Amazon 一日前から猛暑になって・・・・それでも朝方は曇っていて東ゲートで1時間ほど並んで入場しましたよ。しかし、入場後は日が差し始めて「暑い」。 それでも、午前中はいくつかの…

五十の作品でたどる 芹沢銈介八十八年の軌跡

10年ほど前、芹沢銈介の「極楽から来た」挿絵本を見て好きになった。その時には芹沢銈介氏は亡くなっていたが、その個人美術館が静岡市にあるということで出かけてみた。美術館は登呂遺跡公園敷地内にあって想像以上に重厚な建物で、展示も美しく楽しめる。…

ブックガイド(137)―逃げるが勝ち?ー

https://uuw.tokyo/book-guide/ 受け手のいない祈り 作者:朝比奈秋 新潮社 Amazon 気楽に読める一般向けの本で、アンダーライティングに役立つ最新知識をゲットしよう。そんなコンセプトのブックガイドです。今回のテーマは「医師の過労」。私の身近な病院で…

嘔吐

ネット社会の自己実現 嘔吐: (小学館) 作者:小川 哲 Audible Amazon GOAT第1号から、小川哲さんの「嘔吐」。GOATはなんと510円で辞書ほどの厚みがある文芸誌。季刊?現代作家による中短編やエッセイがてんこ盛り。安いので書店で見つけたら買ってみてくださ…

青い壺 Audible

さすがの有吉佐和子ですよ・・・ 青い壺 作者:有吉佐和子 Audible Amazon インフルエンサーが紹介したせいか、リバイバルヒットしているらしい。青磁の壺が流転する狂言回しとなり、多くの人間模様が描かれる。どのエピソードも、最後は「老い」というテーマ…

受け手のいない祈り

つらい・・・医療現場 受け手のいない祈り 作者:朝比奈秋 新潮社 Amazon 芥川賞作家である医師、朝比奈秋が描く、虚無的医療空間。 いやあ、あるあるの世界観ですね。私が現役外科医だった20代30代のころも似たような無理はしてはいましたが、そのころと…

楽園

東アフリカ版、ビルドゥング・ロマンス 楽園 (グルナ・コレクション) 作者:アブドゥルラザク・グルナ 白水社 Amazon 東アフリカ海岸・中東・インドに囲まれた、いわばインド洋世界というものについて、ピンとこない。そこは、アフリカ人、インド人、アラブ人…

スバル ヒコーキ野郎が作ったクルマ

人生最後(?)のクルマ選び・・・ スバル――ヒコーキ野郎が作ったクルマ 作者:野地 秩嘉 プレジデント社 Amazon ChatGPTに「60代後半に、安全性を最優先して、人生最後のクルマを選ぶなら」と問うと独自の安全システムを発展させているスバル・レヴォルグと…