El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

爺の流儀

自分が爺になると、なんだか爺本が読みたくなくなってきた 爺の流儀 (ワニブックスPLUS新書) 作者:嵐山 光三郎 ワニブックス Amazon 団塊世代が70歳~80歳になってきて、爺本もかなり高齢域のものが増えてきた。嵐山光三郎は15歳年長の83歳<読書中>

BUTTER

世界中で読まれている! 読むべきは日本のオヤジかも BUTTER(新潮文庫) 作者:柚木麻子 新潮社 Amazon あの木嶋佳苗の人物像をテーマにしながらも、いくつもの人間関係を重奏的に重ね合わせ、そして破綻がなく、未来へとつながるかなり名作。世界中で読まれ…

ついでにジェントルメン Audible

いい話が多い・・・でも「BUTTER」の後では物足りない ついでにジェントルメン 作者:柚木 麻子 Audible Amazon Audibleで30分から1時間半の中短編が7作。どれも面白いし、いい話も多い。だけどなぁ、「BUTTER」の強烈な印象のあとではちょっとかすむかな。し…

あいにくあんたのためじゃない Audible

かなり好き!ポップでドライで、グッとくる あいにくあんたのためじゃない 作者:柚木 麻子 Audible Amazon 評判の「Butter」をKindleで読んでいるが、その文体の独特のリズムをAudibleで味わいたいと聴いてみた。朗読が上手なこともあるが、ポップでドライで…

ハヤブサを盗んだ男

鷹狩り・・・ ハヤブサを盗んだ男――野鳥闇取引に隠されたドラマ 作者:ジョシュア・ハマー 紀伊國屋書店 Amazon 鷹狩=鷹やハヤブサなどの猛禽をハンターとして使ってウサギなどの獲物をとる、日本の殿様だけかと思ったら、アラブの王様もやってるんだ。で、…

ブックガイド(141)―名医もヤブ医者もいらない時代?―

AIに看取られる日 2035年の「医療と介護」 AIに看取られる日 2035年の「医療と介護」 (朝日新書) 作者:奥 真也 朝日新聞出版 Amazon 「気楽に読めて、査定力もアップする本を!」というコンセプトのブックガイド、今回のテーマはAIと医療。AIに診てもらう日…

かれが最後に書いた本

行動力のある読書人を目指さねば・・と思えてくる かれが最後に書いた本 作者:津野海太郎 新潮社 Amazon 津野海太郎の書いた本とのつきあいも長い。1938年生なので80代も半ばか・・・彼の「歩くひとりもの」をバイブル化して読んでいたのは(Amazonでの購入…

祝!ノーベル賞 坂口志文先生

坂口先生!4年前の予言的中です。 免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか (ブルーバックス) 作者:坂口志文,塚﨑朝子 講談社 Amazon 2021年6月に紹介した「制御性T細胞とは何か」の著者、坂口先生が2025年ノーベル医学生理学賞を受賞しました!レビューの中で…

書くインタビュー 4

2017~2019 直木賞受賞をはさんでのあれこれ 書くインタビュー 4 (小学館文庫) 作者:佐藤正午 小学館 Amazon 作家生活34年で直木賞・・・って、ちょっとヘンじゃないか?と思うんだけど、事実は小説より奇なり。佐藤正午が佐世保に閉じこもって授賞式にも代…

なぜあの人は好きなことだけやって年収1000万なのか?

個人レベルでの強欲資本主義との決別! なぜあの人は好きなことだけやって年収1000万円なのか? 異端の経営学者と学ぶ「そこそこ起業」 (集英社ノンフィクション) 作者:高橋勅徳 集英社 Amazon マネー関係の実用本みたいなタイトルと表紙絵だが、副題は「異…

事の次第 Audible

Audibleの欠点が露呈・・ 事の次第: (小学館) 作者:佐藤 正午 Audible Amazon 7つの短編かと思って聴いていたら、複雑にからませた連作だった。それに気づいた時にはすでに伏線を忘れてしまっている、たぶんあのあたりが伏線だったのかなあ、と思うけどは…