El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

Book Review

時間は存在しない

さて60代最後の歳に・・・ 時間は存在しない 作者:カルロ・ロヴェッリ NHK出版 Amazon 自分の中にある主観的な「時間」は確かに自分の脳の中にしか存在していない。そして、人間はひとりひとり、自分のアタマが作り出した時間概念を他人の時間概念とボンヤリ…

生きるための読書

そこに至る道 生きるための読書 作者:津野海太郎 新潮社 Amazon 津野海太郎さん、1938年生まれなので87歳。私の2度目の独身時代に彼の書いた「歩くひとりもの」という本はささやかな支えでもあったな。あの頃は、独身主義の男性の書いた本を読んだものです。…

ブックガイド(147)ー哲学風味の医療小説ー

https://uuw.tokyo/book-guide/ スピノザの診察室 雄町哲郎シリーズ 作者:夏川草介 水鈴社 Amazon 「気楽に読めて、査定力もアップする本を!」というコンセプトの本連載。今回のブックガイドは、ベストセラー「神様のカルテ」の著者による最新シリーズを取…

NotebookLM 徹底活用術

ギリギリ上手く使えていない感じを打破! Google NotebookLM 徹底活用術 最速で仕事の進め方が激変する 作者:ヨス,松山将三郎,染谷昌利 日本実業出版社 Amazon ChatGPTとGeminiは成果をだしていると思うのだが、NotebookLMは使ってはいるものの、なんだか中…

怪談

「ばけばけ」関連読書。ハーンの死近し 怪談: 不思議なことの物語と研究 (岩波文庫 赤 244-1) 作者:ラフカディオ ハーン 岩波書店 Amazon 朝ドラ「ばけばけ」!いよいよ最終週を残すのみ。「怪談(Kwaidan)」の原稿がアメリカに届いて・・・ 残念ながら、19…

東の国から

「ばけばけ」連動読書 東の国から: 新しい日本における幻想と研究 (岩波文庫) 作者:ラフカディオ ハーン 岩波書店 Amazon 「ばけばけ」のモデル、ラフカディオ・ハーンが実際どんな文章を書いていたのか? ということで、ドラマの中で結核で臨死期にある松江…

ブックガイド(146)ー「最も不潔な水」が飲めるわけー

https://uuw.tokyo/book-guide/ ファージ・ハンター──病原菌を溶かすウイルスを探せ! (岩波科学ライブラリー 329) 作者:山内 一也 岩波書店 Amazon 「気楽に読めて、査定力もアップする本を!」というコンセプトの本連載。今回のテーマは、現代医療の限界を…

肩をすくめるアトラス 第3部 AはAである

みっちりとした文庫3巻 2000ページ!読了 肩をすくめるアトラス 第三部 (AはAである) 作者:アイン・ランド,Ayn Rand アトランティス Amazon 世界を動かすのは、価値を生み出す力のある者なのか、それとも「その他おおぜい」のほうなのか。進歩主義の視点では…

壇蜜(2)

かそけき を愛す 「壇蜜」(2) (モーニングコミックス) 作者:清野とおる 講談社 Amazon 六角精児の「飲み鉄本線日本旅」のナレーションを含めて「壇蜜」の「幽(かそ)けき」ところが好きだ。その「かそけき」な感じが、夫の清野とおるのマンガで読むたび…

パイドン

妻との死生観の違いを解明したくて・・・読んでみた。 パイドン: 魂の不死について (岩波文庫) 作者:プラトン 岩波書店 Amazon 我が妻は死をまったくおそれない人であることを最近知り驚く。 死への恐怖、忌避感はどこから生じるのか、そしていかにして克服…

肩をすくめるアトラス 第2部 二者択一

第2部 読み終わった・・・ 肩をすくめるアトラス 第二部 二者択一 作者:アイン・ランド,Ayn Rand アトランティス Amazon ちょうど確定申告の時期に重なって、追加徴税にゲンナリしていた時期だっただけに「ああ、こうやって社会の仕組みとして自分の働きがか…

ブックガイド(145)ー「要約」ですら情報過多ー

https://uuw.tokyo/book-guide/ なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書) 作者:三宅香帆 集英社 Amazon 「気楽に読めて、査定力もアップする本を!」というコンセプトのこの連載。最近、ふと思うことがあります。このレビューを読んでいる皆さん…

午後

久しぶりのシーラッハ 午後 作者:フェルディナント・フォン・シーラッハ 東京創元社 Amazon 装丁からもう雰囲気盛り上がる!今回は短編集。短編とはいっても1ページのものとか、まあアフォリズムみたいなものもある。 それでも独特のシーラッハ節。皮肉の効…

永い言い訳 Audible → 最後は本で

この人、こんなに上手いとは・・・ 永い言い訳: 文藝春秋 作者:西川 美和 Audible Amazon 本木雅弘主演で映画化もされているが、何となくつまらなそうで観ていなかった。原作というか、映画の監督である西川美和さんが書いた本なので、まさに原作を書いて映…

肩をすくめるアトラス 第1部 矛盾律

ジョン・ゴールトって誰? 肩をすくめるアトラス 第一部 作者:アイン・ランド,Ayn Rand アトランティス Amazon 日本語訳で手に入るのは聴いたことのないAtlantisという出版社から出ている3分冊の文庫本で、それぞれ500ページ以上。そしてなんといっても、普…

定年後の日本人は世界一の楽園を生きる

あの佐藤優でさえ定年本を出す時代 定年後の日本人は世界一の楽園を生きる(Hanada新書 010) 作者:佐藤優 飛鳥新社 Amazon 日本ほど老人福祉が充実していて、カフェ、図書館、などなど社会資本も充実している国はないのだから、定年後は世界一の楽園だよ、と…

Obsidian×AI

新年からObsidianに取り組んでいます・・・ Obsidian×AI 自分だけの知識のデータベースをつくる情報収集・活用テクニック 作者:山口大陽 マイナビ出版 Amazon EvernoteやWorkFlowyといったクラウド版の情報管理サービスを長い間活用して、有料で活用していま…

超巨大噴火と生命進化

「江戸からオールド飲んでりゃデブのぺルさんそりゃ吐くわ」 超巨大噴火と生命進化 地球規模の環境変動が大量絶滅と進化をもたらした (ブルーバックス) 作者:佐野貴司 講談社 Amazon 年頭はなぜか理系本が読みたくなる。2025~6年のマイブームの1つは「絶滅…

オール・ノット

オール・ノットとはパールのネックレスなどで1カ所切れてもバラバラにならないように、玉と玉が結ばれていること=All Knot オール・ノット 作者:柚木麻子 講談社 Amazon 今年は、現代の作家たちを積極的に読んだり聴いたりしてきた。柚月麻子さんもその一…

スマホ時代の哲学(増補改訂版)

スマホが奪う、孤独になるチカラ スマホ時代の哲学 深い集中を取り戻し豊かな時間を生きる (新装版) 【増補改訂版】 (ディスカヴァー携書) 作者:谷川嘉浩 ディスカヴァー・トゥエンティワン Amazon 第1、2章あたりは「かったるいなあ・・」と思っていたが…

カップルズ Audible

うーん Audibleには向かない カップルズ: (小学館) 作者:佐藤 正午 Audible Amazon 7つの中編で構成されるが、全体に関連があって、伝言ゲームみたいな構造になっている。それはそれで面白いのだが、Audibleっていうのは、そこまでプロットを覚えていられ…

荒涼館(1)

2025年の大作読書 荒涼館 一 (岩波文庫) 作者:ディケンズ 岩波書店 Amazon 秋から冬に向かい、少し落ち着いて古典の長編を読んでみようと思い、今回選んだのがディケンズの「Bleak House」日本語タイトルは「荒涼館」。岩波文庫で1冊500ページ超×4冊。19世紀…

セツと八雲

ひさしぶりに楽しめる朝ドラ「ばけばけ」 セツと八雲 (朝日新書) 作者:小泉 凡,木元健二 朝日新聞出版 Amazon 今期のNHK朝ドラ「ばけばけ」を毎週末に1週間分ずつ見ている。主演の小泉セツ(ドラマでは「おトキさん」)を演じている高石あかりさんが、なんだ…

ブックガイド(142)―保険会社は知りたくないの―

https://uuw.tokyo/book-guide/ ヤバい保険の経済学――〈選択問題〉で、なぜいつもコケてしまうのか? 作者:リラン・エイナヴ,エイミー・フィンケルスタイン,レイ・フィスマン みすず書房 Amazon 「気楽に読めて、査定力もアップする本を!」というコンセプト…

macOS Tahoe パーフェクトマニュアル

人生最後のMacintosh!? macOS Tahoe パーフェクトマニュアル 作者:井村 克也 ソーテック社 Amazon 人生最後の、という枕詞で浪費しているかもしれない・・・ 今年はiPhoneやAppleWatchのリニューアルの年。その上、経費予算を遣いきれていない大人の事情もあ…

ババヤガの夜

うーん、そこまで評価が高い理由が??? ババヤガの夜 (河出文庫) 作者:王谷晶 河出書房新社 Amazon 一気読みできる長さと展開で、名前に関わる叙述トリックがあって混乱させられる。ただし、ジェンダーやシスターフッド的なものを感じるほどのことなのか?…

爺の流儀

自分が爺になると、なんだか爺本が読みたくなくなってきた 爺の流儀 (ワニブックスPLUS新書) 作者:嵐山 光三郎 ワニブックス Amazon 団塊世代が70歳~80歳になってきて、爺本もかなり高齢域のものが増えてきた。嵐山光三郎は15歳年長の83歳。もう先がない・…

BUTTER

世界中で読まれている! 読むべきは日本のオヤジかも BUTTER(新潮文庫) 作者:柚木麻子 新潮社 Amazon あの木嶋佳苗の人物像をテーマにしながらも、いくつもの人間関係を重奏的に重ね合わせ、そして破綻がなく、未来へとつながるかなり名作。世界中で読まれ…

ハヤブサを盗んだ男

鷹狩り・・・ ハヤブサを盗んだ男――野鳥闇取引に隠されたドラマ 作者:ジョシュア・ハマー 紀伊國屋書店 Amazon 鷹狩=鷹やハヤブサなどの猛禽をハンターとして使ってウサギなどの獲物をとる、日本の殿様だけかと思ったら、アラブの王様もやってるんだ。で、…

かれが最後に書いた本

行動力のある読書人を目指さねば・・と思えてくる かれが最後に書いた本 作者:津野海太郎 新潮社 Amazon 津野海太郎の書いた本とのつきあいも長い。1938年生なので80代も半ばか・・・彼の「歩くひとりもの」をバイブル化して読んでいたのは(Amazonでの購入…