El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

忘却

思い出せない脳

記憶研究がこんなにすすんでいたとは! 思い出せない脳 (講談社現代新書) 作者:澤田誠 講談社 Amazon 脳科学というとあやしい話しかしない自称脳科学者が多いが本書はまじめな生物学的な脳科学本。「記憶」の科学的メカニズム、現在わかっている範囲のことは…

Remember 記憶の科学

思い出すたびに作り替えられ更新されている、それが「記憶」 Remember記憶の科学 作者:リサ・ジェノヴァ,小浜杳 白揚社 Amazon 著者のリサ・ジェノバは、記憶に関わる神経科学のプロであるとともに記憶やアルツハイマー病について一般人にわかりやすく啓蒙す…

嘘と正典

記憶の改竄のメカニズム 嘘と正典 (ハヤカワ文庫JA) 作者:小川 哲 早川書房 Amazon 「ゲームの王国」で心酔して読み込みに入ろうとしている小川哲。目下のところ出版されているのは「ユートロニカのこちら側」「ゲームの王国」「嘘と正典」「地図と拳」「君…

現代カタストロフ論

50年たつと過去の過ちを忘れてしまうだけ 現代カタストロフ論: 経済と生命の周期を解き明かす (岩波新書 新赤版 1953) 作者:金子 勝,児玉 龍彦 岩波書店 Amazon カタストロフ理論は1970年代~80年代に小さなブームがあったが、結局のところこの本がそうであ…

忘れる脳力

記憶と忘却のメカニズムーけっこうためになる! 忘れる脳力 脳寿命を伸ばすにはどんどん忘れなさい (朝日新書) 作者:岩立 康男 朝日新聞出版 Amazon 怪しい脳科学本と思ってしまいそうなタイトルだが、千葉大の脳外科の教授で脳の基礎研究の実績も十分な岩立…

ボクはやっと認知症のことがわかった

結局、認知症は老化の一形態であり疾病化するべきではなかった、ということなんじゃないのかな ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言 作者:長谷川 和夫,猪熊 律子 発売日: 2019/12/27 メディア: 単行本 …

失われた時を求めて 13

カバー絵は物語の初めにもどる感じ? ついに読了、8カ月電車読書で読破・・・レミニセンス 失われた時を求めて 13 第七篇 見出された時 2 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) 作者:マルセル・プルースト 発売日: 2007/03/20 メディア: 文庫 全巻をPDF化してトリ…

ベロニカとの記憶

原作とはまたちがった深い味わい ベロニカとの記憶(字幕版) 発売日: 2018/09/05 メディア: Prime Video 「終わりの感覚」を原作とした映画「ベロニカとの記憶」がAmazon Prime Videoに入ったので見た。主人公の孤老の生活が結構いい感じで描写されていた。歳…

老いと記憶

記憶の衰えにどう対応していくか! 老いと記憶-加齢で得るもの、失うもの (中公新書) 作者:増本 康平 発売日: 2018/12/19 メディア: 新書 記憶しなくてはならないことを減らす、スマホのリマインダーを利用、高齢者になるまでに良い習慣を身につける。また、…

なぜイヤな記憶は消えないのか

記憶をポジティブに回せ! なぜイヤな記憶は消えないのか (角川新書) 作者:榎本 博明 発売日: 2019/06/08 メディア: Kindle版 日々の出来事が人生をどう形作るか考えさせられる好著。 自分の成り立ちを説明する物語、著者は自己物語と名付けるが、まさにそれ…

認知症の人の心の中はどうなっているのか?

治療ではなくケア・共生の視点! 認知症の人の心の中はどうなっているのか? (光文社新書) 作者:佐藤眞一 発売日: 2018/12/12 メディア: 新書 85歳の母親が認知症と診断されてホームでお世話になっている。記憶ができない・思い出せないがメインで昔の大家族…

忘れられた巨人

忘却とは・・・ 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) 作者:カズオ イシグロ,Kazuo Ishiguro 発売日: 2017/10/14 メディア: 文庫 夫婦・親子・民族・・・どんなレベルでも人と人の間には諍いがあり、不実がある。それでも、忘却という霧が諍いを緩和したり、ご…

終わりの感覚

書かれなかったことを読めなければ読めない本。 終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス) 作者:ジュリアン バーンズ 発売日: 2012/12/01 メディア: ペーパーバック 2018年1月この本を原作とした映画「ベロニカとの記憶」が公開されるとのことで読んでみ…

横しぐれ

横しぐれの向こうに消えていくもの 横しぐれ (講談社文芸文庫) 作者:丸谷 才一 発売日: 1989/12/26 メディア: 文庫 過去と自分の間に時間が流れ、雨の向こうに見える景色・人物のように不透明なスクリーンがかかっていき、事実や記憶がすべてがぼんやりと(…

大学時代の読書

もっとも読書すべき時なのだろうか「大学時代」・・・しかし、読書の記憶はぜんぜんない。不思議だ。思い出すたびに書き込もうとは思うが。1

中学生・高校生の頃の読書の記憶

月と六ペンス(モーム) 中学生向けの簡訳だったと思うが緑色の何らかの全集の一冊。学校の図書館で借りてよんで、初めて本の中の世界に耽溺した。まあ、読書の原点と言えるかも。そういう経験のせいかモームの作品はその後もわりと読んでいる。「お菓子とビ…