El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

ベロニカとの記憶

 原作とはまたちがった深い味わい

ベロニカとの記憶(字幕版)

ベロニカとの記憶(字幕版)

  • 発売日: 2018/09/05
  • メディア: Prime Video
 

 「終わりの感覚」を原作とした映画「ベロニカとの記憶」がAmazon Prime Videoに入ったので見た。主人公の孤老の生活が結構いい感じで描写されていた。歳とったベロニカをシャーロット・ランプリングが演じていたが若いころと容貌が違いすぎてやや違和感が。重大な役回りのベロニカの母こそがランプリングにふさわしいのでは?記憶がウソをつくというコンセプトはうまく表現されていて映画も☆☆☆☆

(ランプリングに期待してみた「さざなみ」よりもずっといい)

20200324追記

三連休に見た(二度目)「ベロニカとの思い出」が二度目にもかかわらずよかった。3-4か月前に観ているはずなのだが、覚えていないものだ。原作「終わりの感覚」(ジュリアン・バーンズ)を先に読んで、そのとき書いたレビューを読んだが・・微妙なところで記憶がない。この話そのものが、人の記憶のあいまいさ、都合のよさがテーマでもあるので、二重に腑に落ちる。もう一度原作を読んでみることにした。