El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

パーソナル トップ5レビュー(2024)

2024年もフィニッシュ。来年2025年は昭和100年、戦後80年、阪神淡路大震災30年。また2025=45×45の平方数の年・・・と先走る前に2024年の読書からトップ5をセレクト!(トップ10では長すぎるとの声に応えて今年からトップ5に) 2025年もよろしくお願いします…

神戸 戦災と震災

阪神淡路から30年を目前に・・・ 神戸 ――戦災と震災 (ちくま新書) 作者:村上しほり 筑摩書房 Amazon 神戸市東灘区にマンションを購入して10年経過。最初2年間は東京で逆単身赴任生活を送っていたので、神戸で生活するようになって8年・・・時の流れは早い。…

ツリーハウス Audible

ヒーローがいない、それが当たり前 ツリーハウス 作者:角田 光代 Audible Amazon 戦前に逃げるように大陸に渡り、そして敗戦、逃げるように日本に戻り、そこから2010年頃まで、延々と続くある家族の物語。ヒーローはまったく出てこなくて、まあ失敗をやらか…

バリ山行

六甲山文学に感動 バリ山行 作者:松永K三蔵 講談社 Amazon 毎日六甲山を見ながら暮らしている。この小説の舞台になっているバス停でバスに乗ったり、駅で電車に乗ったりもしているし、観光ルートで六甲山の上にも出かけたりしている。その山と山のふもとの…

誰かがこの町で Audible

うーん、暗い 誰かがこの町で 作者:佐野 広実 Audible Amazon 社会派ミステリーなのだろうが、どうにも暗い。場所も埼玉のどっかのニュータウンということでパッとしない。自警団みたいな存在も、まあ昔の西部劇で「西部の町に都会から探偵がやってきて」と…

人生は冥途までの暇つぶし

Mement Mori Carpe Diem 死を忘れるな 今日を生きよ 人生は冥土までの暇つぶし 作者:島地勝彦 日刊現代 Amazon 最近の本屋には「シニア棚」が確かに増えた。そんなシニア棚に立ち寄ってしまう自分も充分シニアというわけだ。そうすると、こういう面白そうな…

ブックガイド(131)―こんなに違う、男と女!―

ブックガイド第131回原稿です(ちょっと業界寄りの目線で書いています) ―こんなに違う、男と女!― テストステロン: ヒトを分け、支配する物質 作者:Hooven,Carole 化学同人 Amazon 気楽に読める一般向けの本で、アンダーライティングに役立つ最新知識をゲッ…

テストステロン ヒトを分け、支配する物質

テストステロンに支配された頃もあった・・・ テストステロン: ヒトを分け、支配する物質 作者:Hooven,Carole 化学同人 Amazon 「テストステロン」、いわゆる男性ホルモン。最近、性同一性障害(LGBTQ)や性分化障害(DSD)という告知や、入院診断書を見る機…

失敗の科学 Audible

認知的不協和までは面白かったが・・・ 失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織 作者:マシュー・サイド,有枝 春 (翻訳) Audible Amazon 「失敗から学び、改善していく」にはまず「失敗したことを認める」ことが必要。しかし、認知的不協和という…

映画化されました、1/17公開! じいさん必見ですね 敵(新潮文庫) 作者:筒井 康隆 新潮社 Amazon かって文化人だった男の老残と現世への未練を・・・。これを書いたころ(2000年)の筒井康隆は今の自分と同じくらいの歳でした。 それにしても、主人公に長塚…

俺ではない炎上 Audible

「SNSという民意」をうまく織り込んだ叙述トリック 俺ではない炎上 作者:浅倉 秋成 Audible Amazon SNSでの世論誘導! 正直、兵庫県民は知事選がらみで疲れています...。パワハラ疑惑、疑惑捏造の疑惑、オールドメディア VS ニューメディア、PR会社のキラキ…