El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

じい散歩 <Audible>

こんな90代なら、なってみたい・・

藤野千夜(ふじの・ちや)さん、60代の女性芥川賞作家らしい。評判の「じい散歩」がAudibleに入ったので聴いてみることに。内館牧子の老人小説シリーズのあざとさに辟易しており、同じ穴のムジナと思っていたが聴き始めてみると結構ちゃんとした描写で聴きごたえあり。プロフィールをみると、さもありなんと思う。

90歳になって50代の子供3人が社会的には「まともではない」、いわゆる80/50問題ではあるが、もう死を見据えていれば、子どもの将来なんて関係ないと思えるようになってくるのだろうなきっと、と思う。

そういた90歳男性の日常を淡々と描く。こんな90代、楽しくはないが悪くはない。