El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない Audible

「君たちはどう生きるか?」という問いそのものが間違い!

「人生を幸せにするのは何?」最初の1時間で答えを教えてくれて、それがそれなりに納得感もあって即効性もある。話の肝は ↓ のTEDだけでも十分かもしれないが、数々の実戦的なノウハウがたくさん書かれており、いまさら人生論なんてと通り過ぎるのは少しもったいないような本。

「よい人間関係の中で生きること」が幸福な人生の手段である、と考えるのではなく、「よい人間関係の中で生きること」そのものを人生の目標であり、結果であると考えるというのはコペルニクス的転回かも。

若いころから壮年期にかけて、仕事や人生の目標を達成し結果を出す、そのための手段として「よい人間関係」を維持したほうがいいーそんな考えは誰もが持っているかもしれない。ところが、それは手段と目標の取り違え。よき人間関係の中で生を全うすること、それこそが人生の目標だと考える。すると毎日がずいぶん違って見えてくる。

そのポイントを押さえて、そこに向かって実践的な行動指針が書かれており、確かに役にたつ。

「君たちはどう生きるか?」「人な何のために生きるのか?」なんて、上滑りな答えのない問いに立ち止まるよりは、良い人間関係を実践すること、それそのものが人生なんだと・・・60代も半ばを過ぎると身に沁みる話だ。

迷える子羊はぜひ一読を・・・