El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

黄色い家 Audible

とにかく凄い!川上未映子にしか書けない女子目線の底辺小説

女子目線の底辺小説。このジャンルはいままであまりなかった。

ともかくリアリティがある。川上未映子はwikiによると「大阪府大阪市城東区に生まれる。大阪市立すみれ小学校、大阪市立菫中学校を経て大阪市立工芸高等学校でデザインを学ぶ。高校卒業後は弟を大学に入れるため、昼間は本屋でアルバイト、夜は北新地のクラブでホステスとして働いた。」とある。水商売にしても金銭感覚にしても経験なくしては書けないことではないか。(とにかくすごい小説だ)ビブ姐さんの「金の論理」サイコー!

「水車小屋のネネ」のような善人村、綿矢りさの描くぬるま湯村、女性が書く小説があるが、自分にとってリアルなのはやはり弱肉強食の川上未映子ワールド・・・なのだと思い知る。20時間のAudibleを1週間で駆け抜けた・・・