El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

アメリカ合衆国史② 南北戦争の時代

 米国史分水嶺、そして矛盾の大国

南北戦争の時代 19世紀 (岩波新書)

南北戦争の時代 19世紀 (岩波新書)

 

建国以来の歴史が南北戦争に流れ込み、現代に通じるアメリカ史のすべてが南北戦争から流れ出る・・というほど大きく変わった。北部へのヨーロッパからの大量移民労働者にとっては黒人奴隷労働は人道的見地からではなく、ライバル関係として打倒すべきものだった。黒人解放後は中国人苦力の大量流入とその排斥。グローバル化の現在は、中国に住む労働力に仕事を奪われているわけで・・・構図は変わらないなと。

アメリカがインディアンをエスニック・クレンジングして生存空間を獲得した手法がヒトラーをして東欧・ロシアの「生存圏」構想をもたらしたのか。ヒトラーや日本は阻止されたがアメリカはやったもん勝ちの勝ったもん勝ちということなのか。やはり、矛盾だらけの国ではある。