裸が描きたかったんだね、みんな
カバネル「ヴィーナスの誕生」のように、印象派以前のギリシャ・ローマ神話に題材をとった裸体画は、19世紀でも画面の女性が裸でいることの明確な理由なしにヌードを書くことは許されていなかったために、ヌード描きたさに描かれた。ジャン=レオン・ジェロームの「ローマの奴隷市場」も同じ。
ナポレオン、ナポレオン三世、といった権力者とその時代の画家たちのやりとりもおもしろい。ナポレオンが皇帝になってしまった矛盾を絵画で覆い隠そうとしたしたデヴィッド、ナポレオン三世と激しい闘争を演じたクールベ。
印象派以前の美術界のことがよくわかる。
それにしてもクールベの「世界の起源」はいつ目にしても深い感慨につつまれる・・・美術本は理屈ぬきで楽しめるのがいい。