El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

飛鳥の都〈シリーズ 日本古代史 3〉

これが日本の7世紀

飛鳥の都〈シリーズ 日本古代史 3〉 (岩波新書)

飛鳥の都〈シリーズ 日本古代史 3〉 (岩波新書)

  • 作者:吉川 真司
  • 発売日: 2011/04/21
  • メディア: 新書
 

 7世紀がほぼほぼ飛鳥時代聖徳太子蘇我氏の前半があって中ほどで大化の改新天智天皇壬申の乱天武天皇、なるほど100年の間にいろいろあった。その結果として大宝律令となり、現代に続く「日本」という国名も出現する。

100年の間に分散していた地方勢力が大化の改新でひとまとめに、いわば最初の版籍奉還。男子天皇生前退位がほとんどないので血統をつなぐために生前退位がある女帝が中継ぎに入る・・あたりの仕組みが面白い。

政権中央の総論的な話でずっとすすんで、最後にピンポイントで岐阜県関市の弥勒寺遺跡をとりあげて一地域の飛鳥時代を対置させる構成の妙もある。さて、次はいよいよ奈良の都ですか。