El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

苦役列車・・西村賢太氏逝く

芥川賞作家、西村賢太氏の急死をネットニュースが伝える。54歳。タクシーの中で意識消失したままの死とあり。自分のレビューを検索して見ると11年前に「苦役列車」を読んでいる。

その後も雑誌に連載しているものはポツポツと読んでいた。「本の雑誌」には「一私小説書きの日乗」のタイトルでメモ書き風日記を長期にわたって連載しており、必ず目を通していた。手元にある2022年2月号では昨年の12月13日までの日記となっている。

日記からも伝わってくる破天荒な暮らしに憧憬もあったが、やはり身体的には無理があったということか。坪内祐三、高橋三千綱、西村賢太・・・大酒家作家の訃報が続く。