El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

ポップ・ラッキー・ポトラッチ Audible

宝くじ小説としては視点が新しい

偶然買った宝くじで2億円を手に入れた、少しおバカで常識にしばられている20代女性という設定だが、主題は次第に「贈与とお返し」にシフト。ポトラッチ(インディアンの贈与合戦)。

若くて、そこまで余裕がなかったころは、手土産なんて考えもしなかったが、最近は気にするようになってきた。また、思わぬシチュエーションで逆に手土産をいただいたときに、お返しを考える。まあ、そうすることで、そうするときに、相手のことを考える、そんな作業が人間関係を織りなしていくのかも。