El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

ドイツ・ナショナリズム

エキセントリックな研究者の自己満足!?

かなり独特のわかりにくい文章で辟易した。結局言いたことは「おわりに」と「後記」に書かれている程度のこと。どんな義理で出版することになったのかはしらないが中公新書の編集部にも責はあると思う。

なんなんだこの人?と思って検索していくと著者のマックス・ウェーバーについての既出版物に対する論評が見つかった。本書で私もこの論評者とまったく同じ感想を持ったので参照しておきたい。

(引用)以上、総じていえば、今野書は、その自負の大きさにもかかわらず、得意なはずの史実の発掘という点でも先行のマリアンネ『伝』およびモムゼン『伝』を大きく超えるものとはいえず、また、その史実、つまりウェーバーの政治的発言・政治思想の「分析」・解釈という点では、結局皮相で突っ込み不足が目立ち、しばしば一面的な解釈に陥っている。(引用終わり)