El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

歴史は「べき乗則」で動く

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) 作者:マーク・ブキャナン 発売日: 2009/08/25 メディア: 文庫 かなりおもしろい。「べき乗則」そのものは、あれーっその程度のことか、という感…

雨の日はソファで散歩

死に近づく文章群 雨の日はソファで散歩 (ちくま文庫) 作者:種村 季弘 発売日: 2010/07/07 メディア: 文庫 晩年の文章を集めたものだが、突然なくなったというわけではなく、次第に体調が悪くなって、死に向かって生きている中で、足るを知る的な境地でかか…

格差と希望―誰が損をしているか?

格差と希望―誰が損をしているか? 作者:大竹 文雄 メディア: 単行本 齋藤誠氏の「競争の作法」を読んで経済学者もなかなかおもしろいこと書くなあと思って、人気のある経済学者らしい大竹氏の著書3冊を図書館で借りてみた。うーん、どれも同工異曲という感じ…

競争と公平感

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書) 作者:大竹 文雄 発売日: 2010/03/01 メディア: 新書 同じようなテーマの「競争の作法」を書いた齋藤誠氏とは京大経済の同級生のようだが、今回は「競争の作法」の方がおもしろいと思った。本質は同じよう…

競争の作法 いかに働き、投資するか

競争の作法 いかに働き、投資するか (ちくま新書) 作者:齊藤 誠 発売日: 2010/06/09 メディア: 新書 一気に読めた。タイトルからはわかりにくいが日本の今の閉塞感をマクロ経済からわかりやすく論じたもの。特に、新卒就職難や派遣切りなどの雇用調整の部分…

畸人巡礼 怪人礼讃

省エネ? 畸人巡礼 怪人礼讃 (新 忘れられた日本人Ⅱ) 作者:佐野 眞一 発売日: 2010/07/23 メディア: 単行本 おもしろそうなタイトルの章だけ読めばいいと思う。佐野さんがほかの大部のドキュメンタリーを書くときの取材などで出会った奇人変人怪人についてど…

フリーライダー

フリーライダー あなたの隣のただのり社員 (講談社現代新書) 作者:河合 太介,渡部 幹 発売日: 2010/06/17 メディア: 新書 よくあるタイプの命名本。社会のさまざまな類型からある類型を抜き出して特殊な用語で命名し、あたかもそういう類型が特殊な集団であ…