El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

雨の日はソファで散歩

死に近づく文章群

雨の日はソファで散歩 (ちくま文庫)

雨の日はソファで散歩 (ちくま文庫)

  • 作者:種村 季弘
  • 発売日: 2010/07/07
  • メディア: 文庫
 

晩年の文章を集めたものだが、突然なくなったというわけではなく、次第に体調が悪くなって、死に向かって生きている中で、足るを知る的な境地でかかれた文章が多い。自分が将来、そういう状況でこうした文章がかけるのかと考えさせられる。アートフルな人生の先達という感じで著者を見ていたので、その終末の姿は彼らしくもある。祈冥福。