El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

競争の作法 いかに働き、投資するか

 

競争の作法 いかに働き、投資するか (ちくま新書)

競争の作法 いかに働き、投資するか (ちくま新書)

  • 作者:齊藤 誠
  • 発売日: 2010/06/09
  • メディア: 新書
 

一気に読めた。タイトルからはわかりにくいが日本の今の閉塞感をマクロ経済からわかりやすく論じたもの。特に、新卒就職難や派遣切りなどの雇用調整の部分、設備投資拡大こそ是とする旧へいな企業統治、土地税制の矛盾など、いずれも既得権益者が自己利益の確保、あるいは損失の抑制をめざすことで、へんにバイアスのかかった競争社会になっていることーそこらあたり漠然とした思いが明確化された。図書館本だったのだが購入して再読することになるだろう。著者のサイトも非常によい。
(追記)8月15日あらためて書店で購入。