El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

フリーライダー

 

 よくあるタイプの命名本。社会のさまざまな類型からある類型を抜き出して特殊な用語で命名し、あたかもそういう類型が特殊な集団であるかのような気にさせる。本書であれば、読者はきっと自分のまわりの誰かを「フリーライダー」という言葉で括ってしまうだろう。あの人はフリーライダーだから・・・と。
それはそれとして、本書での解決方法はいかにも経営者目線で労働強化的。昨今の労働環境悪化の分析とは対極にあるようなお気楽な感じをいなめない。