El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

<世界史>の哲学 スタート

全日本人が読んでおくべき!

「<世界史>の哲学」って何?、という問いに備えて解説。なぜ2024年の世界はこうなっているのか、もっと具体的には、なぜ世界は近代以降、西ヨーロッパ文明によって覆われてしまったのか?もっと具体的には、なぜ世界は、西ヨーロッパが生んだ科学技術と資本主義のコングロマリットにおおわれてしまっているのか?

そうした問いを、そもそも歴史の原初からたどろう、というのが大澤真幸の「<世界史>の哲学」。2009年から「群像」に連載されながら、節目節目で書籍化され、さらに今年からは文庫化されている。つまり、連載が続いている中で、単行本が出されながら、文庫本も出るということになっていて、どう読むのがいいのかわかりにくい。

まず「東洋篇」から入ってみた。なぜ1000年前は突出した先進国だった中国がその地位を維持できず、ついには西ヨーロッパ文明を模倣するにいたったのか、そしてインドは?

当初は図書館本の単行本で読み始めたのだが、面白すぎて線を引いたり付箋をつけたりメモをとったりしながら読みたい。しかし、単行本で700ページ、厚さがすごい。文庫本にしても厚く字が小さい。メモ書きと付箋だらけになる予感。

そこで意を決して、先日導入した大きなKindle、Kindle Scribeで読むことにした。Kindle版は紙の本よりかなり安価なこともある。

とりあえずは、9月に「東洋篇」を読了することを目標に!