El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

世界2.0 メタバースの歩き方と創り方 (Audible)

この本に書かれているレベルであれば・・・メタバースってフェイクっぽい

著者がメタバース関係の事業やっているということで利益相反ありありで、勝手に盛り上がられてもリアリティがない。インターネット普及期に日本が見くびって出遅れたと主張して、メタバースには乗り遅れるなと煽るが、単純に煽られても話がアバウトすぎる。

例えば、メタバースの提供するビジネス空間はZoomのテレワークと比べて何がどう違うのか?単に3次元の仮想空間にアバター動かして、Zoomよりもリアルに近いということなのか?一方で、コロナがおさまってきて、テレワークでは創造性がいまいちになると言われているし、イーロン・マスクはリアルで働けと言っている。コロナーテレワークに乗っかっただけのものかもしれない。

仮想空間+電子マネー+NFTで開ける未来という話が再三出てくるが、リアルな生活空間と仮想空間とがどうつながるのか、ピンとこないのが、私が老人のせいなのか、メタバースがフェイクっぽいせいなのか、はっきりしない。

とりあえずメタのゴーグルは使ってみるが、それは大した金額ではないからで、メタバースの世界観に感心したからではない。ただしビジネスとしてはフェイクでも、概念としての面白さはあるのでウォッチは続けるのが正解かな。

というわけで調べてみると(下記リンク)リアルバース(現実の社会)・パーソナルバース(個人生活・狭義のメタバース(仮想空間)をうまくリンクさせることで広義のメタバース(仮想空間をうまく取り込んだ未来社会)ということになるらしい。まあ、それはそうだ。この三菱総研のレポートは読みごたえがある。