El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

自由人は楽しい

 ゲーテが身近に感じられる

著者の専門であるドイツ系の偉人8人が取り上げられている。浅く広くという感じなのだが、「ゲーテ 人生の宿題をしよう」はなかなかよかった。メモ魔でそれも詩でメモする。そういうものがたまって作品になったり、大作の下敷きになったりする。大きなテーマは人生の宿題ととらえて、時間をかけてでも宿題を仕上げる。  82歳死去。ああ、ぼくもあと20年、人生の宿題をやらなくては・・・。それ以外の7人はそれなり。

 

<追記>上の文章を書いてしばらくして池内紀氏の訃報あり。急死だったようだ。享年78歳。世間の評判に反して、自分には、世評に反してお書きになったものがなぜかなじめない、何人かの一人だったけれど、黙祷。