El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

アジア・太平洋戦争―シリーズ日本近現代史〈6〉

瀬戸際外交・・・の末の破滅 よその国の瀬戸際外交笑えない

 戦争するぞ、するぞ・・という脅しで有利にものごとをはこぼうとする「瀬戸際外交」、エスカレートしていき対外的にも、国内的にも引っ込みがつかなくなり・・・と、ここまで、ちょっと前の北朝鮮の話のようだけど、これが太平洋戦争につっこんでいく日本のことなんだから、まあ本当に情けない話。この国では「どこかで偉い誰かがうまいことやってくれる」とは絶対にあてにしてはいけない。それは教訓。

アメリカが戦争のおかげで大恐慌以来の経済停滞を脱出したのもまた事実。自分の庭でないところでの戦争は儲かる。戦争末期の米ソ対立で日本の戦争責任がうやむやになった、ここから永続敗戦論につながる。

幕末・維新からここまで6冊。結局もとのモクアミに。陛下もそれを予言していたとの記載も感慨深い。