El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

背教者ユリアヌス

絶賛のレビューが多いが・・・・すでに時代遅れでは?

背教者ユリアヌス 上中下巻セット (中公文庫)

背教者ユリアヌス 上中下巻セット (中公文庫)

  • 発売日: 1975/02/10
  • メディア:
 

 ギリシャ神話的神々とキリスト教、どちらがポピュラーかの闘い。排他的であればそこには揉め事もあり。政教分離していなかったこの頃、どうさばくべきなのか?なんとなく国家神道 vs 仏教 時代にも似ているのか。ユリアヌスという、価値観の固定した君主の一代記。偶然のかさなりで君主となり、偶然の出来事で死ぬ。偶然性の排除が文明であるとしたら、非文明的な時代観の小説。ある意味古臭い。