El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

春のこわいもの

深川で読む、ちょっと不穏な短編集

下町、思い出逍遥。年に一度はお江戸深川を歩く。今年は3月15-16日、江東区芭蕉記念館、そして懐かしい深川図書館、住んでいた頃はずいぶんお世話になりました。久しぶりの深川図書館、2時間の滞在で読んだのは川上未映子の短編集「春のこわいもの」。6編からなる短編集のうち4編まで読んだところでタイム・アップ。続きはAudibleで

コロナの時期に書かれた文章が多い。どの作品も一筋縄ではいかないねじれた不穏感でAudibleの朗読の岸井ゆきのさんの声はマッチしている。こういう短編で力をつけて「黄色い家」に結実したのか・・・。