El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

訃報 目黒孝二氏 (「本の雑誌」創刊者)

団塊世代男性が死んでいく時代に入ってきたのですね

「本の雑誌」の創刊者で書評家・北上次郎としても知られる目黒孝二さんが死去された。享年76歳ということは昭和21年か22年のお生まれ、いわゆる団塊世代。団塊世代が後期高齢者域に入りつつあり、特に男性は平均寿命からみても訃報としてお見かけすることが増えました。

良くも悪くも戦後日本を引っ張ってきた世代であり、10歳ばかり年下の私(シラケ世代)にとっては、人生のステージごとに10コ先輩として、教えを受けたりしごかれたりしたものだ。そうした先輩の訃報を目にすることが増え、やがては自分もそのゾーンに入っていくのかと考えてしまう。

一方で、団塊世代のタフネスというのはたしかにあって、世の中を動かすリーダーが団塊世代からシラケ世代にかわって行きつつあり、同世代なだけに頼りない感じだ。ちなみに岸田現首相は私と同じ歳のシラケ世代。

世代論では片付けられないことも多々あろうが、やはり団塊世代というのはボリューム+タフネスで影響が大きく、その死の時代が続くこの先20年ほどの日本の困難さに嘆息。