かなり正鵠を得ている・・・週刊誌侮れず
「がん遺伝子パネル検査」の失敗・凋落について調べていて資料として読んでみた。週刊誌あなどれず。もちろん各パートのライターによって玉石混交ではあるのだろうが「玉」のほうは医療者の知識を凌駕する内容だと思う。
TruthとPost-truthが区別できない世界になってきたなんてよく言われるが、ネット世界になってもう一つ、シロウトでもちょっと真剣に調べればプロ並みの知識は得られる時代になってきたんだなあ、と。
きちんと調べればトンデモ代替医療にひっかかるなんて考えられないのだが、被害者がひきもきらないのは、世間の人がいかにものを読もうとしないかということをしめしているような。文字は読むんだけどザッピングするだけで本質を捉えようとはしない。考えてみると、TruthとPost-truth問題と根っこは同じだな。
ちなみに「がん遺伝子パネル検査」については本誌の出た2020年時点では「日本の硬直した制度が有効利用を阻んでいる」という結論付けだが、それから2年たった現在ではそもそも「がん遺伝子を利用した抗がん剤治療そのものがおそらくダメ」という結論が出つつあると、私は思う。