El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

双調平家物語(10) 平治の巻(承前)平家の巻

平治の乱の一カ月を描くのに300ページ!ちょっと執着しすぎ?

平治の乱は平治元年(1159年)12月に始まり、その年のうちにはほぼ決着がつき、翌平治2年(1160年)1月上旬には首謀者・藤原信頼が斬首、源義朝が討たれるという短期の争乱。1月10日には永暦元年に改元された。この頃の元号は数年で変わるのだが1年もたなかったけれど歴史には名を残した「平治」。それにしても、この一か月間の出来事のために第10巻300ページすべてが捧げられた。

しかし、乱を起こした藤原信頼もそれに従った源義朝もどういう勝算があったのかよくわからない。おっさんずラブで後白河上皇に愛されているから、どうにでもなると思ったのだろうか、信頼。

それに言われるままに乗っかった義朝。貴族に対する従順さと他の武士に対する圧倒的自信はどこからくるのか。

ちなみに、巻頭の系図には平治の乱時(1159)の年齢が書かれている。この後の平家の隆盛、源平合戦、鎌倉幕府という時代変遷へのスタートとなる年(1159)の年齢関係は重要だ。

  • 後白河上皇(33)
  • 二条天皇(17)
  • 美福門院(43)
  • 信西(54)
  • 平清盛(42)
  • 藤原信頼(27)
  • 藤原忠通(63)
  • 源義朝(37)
  • 源義平(19)
  • 源頼朝(13)
  • 牛若(源義経)(1)

それにしても、保元・平治にページを費やしすぎ。おっさんずラブの故か・・・