El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

ベロニカとの記憶

三度見ても新しい

ベロニカとの記憶(字幕版)

ベロニカとの記憶(字幕版)

  • ジム・ブロードベント
Amazon

ジュリアン・バーンズの「終わりの感覚」を映画化したもの。映画の英語タイトルは原作どおり「Sense of an Ending」なのだが、ちょっと難しいからか邦題は「ベロニカとの記憶」と変えられて原作ファンはやや複雑。

Amazon Primeで2回見ているのだが、最近は無料から外れてしまい、時々「また見たい」と思っていたところブックオフ・オンラインで見つけたので購入。やはり、個人的☆☆☆☆☆映画は手元に持っておきたい。

3度目ともなると頭にスーッと入ってくる。この映画、人の記憶のいい加減さがひとつのテーマでもあり、自分の都合のいいように編集された記憶と、本当の出来事のずれを意識するためにも何回か見たほうがいい。

もう一つのテーマは「自分の無神経さを自覚できない男」で、こっちのテーマは見るたびに「身につまされる感」がアップしている。ああ、僕の無神経さを許してください・・・

それにしてもジム・ブロードベントの無神経なじいさんの役作りは本当にうまい。最後にそれに気づいて涙するところでもらい泣きするほど