El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

自由なき世界(下)

これこそが2010-2015の世界史

上巻でウクライナに侵攻したロシアだが巧みな情報戦略で国際的にも何が何やらわからない状態(日本の国内政治でも立て続けに事件がおきて何が何やらわからない日々があったが、あれもまたプーチン流の情報戦略だったのか?)に・・・

第5章(2015) その中でロシアの地対空ミサイルにマレーシア航空機が撃墜される・・・。そして、その責任問題もなんだかよくわからない・・・。

たしかに、この頃から、すべての物事の真実が見えにくくなってフェイクだったり、相手をフェイク呼ばわりするフェイクだったり・・・がネット空間を中心にあふれだした、たった5年前のことだ。

ヨーロッパ各国の右派ポピュリズム政党を利用して、自分たちのダメさに合わせて相手もダメにするロシアの情報戦略。それに乗せられてのブレグシット・・・ロシアの思うつぼ。

第6章(2016) ロシアのサイバー戦略の最大の勝利はアメリカ大統領トランプの誕生。破産した不動産屋を大統領に押し上げる。曰く「トランプなら西側の機関車を脱線させてくれるだろう」。ハックしてリツイートしたりボットでばらまいたり、まさに何が真実かわからない世界の誕生。

さて、ロシアも予想しなかったあまりのハチャメチャぶりと新型コロナのおかげもあって2期目とはならなかったトランプ。しかし、プーチンも習近平も元気だ。世界はどうなっていくのか・・・