El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

ロシア

模倣の罠 自由主義の没落

冷戦が終結して共産主義が自由主義に敗北。自由主義ワールドが世界的に広がっていくのか(いわゆる「歴史の終わり」)と思ったが、そうはならなかったのは、現在(いま)を生きる我々がもっとも切実に感じるところ。 一旦は自由主義に向かった中欧・東欧、さ…

嘆きの王冠 ホロウ・クラウン(Blu-ray)

いま問いたい「なぜ国全体が暴君の手に落ちてしまうのか?」 嘆きの王冠 ホロウ・クラウン 【完全版】 Blu-ray BOX ベネディクト・カンバーバッチ Amazon BBCが2012年ロンドン・オリンピックにあわせた文化事業としてシェイクスピアのイギリス王朝史劇をテレ…

物語 ウクライナの歴史

20年前の本書が予測できなかった未来を眼前にして・・ 物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国 (中公新書) 作者:黒川祐次 中央公論新社 Amazon 2002年発刊の「物語 ウクライナの歴史」、プーチンのウクライナ侵攻のせいでだろうか再版されて売れている…

秘密の戦争 共産主義と東欧の20世紀

苦難続きのウクライナの原点を読む 秘密の戦争:共産主義と東欧の20世紀 作者:ティモシー・スナイダー,Timothy Snyder 慶應義塾大学出版会 Amazon プーチンのロシアを批判し続ける歴史家ティモシー・スナイダ―の初期の著作が昨年末に邦訳されたもの。 彼の専…

プーチンの世界

いま、目の前で起こっているウクライナ危機理解には必須 プーチンの世界―「皇帝」になった工作員― 作者:フィオナ・ヒル,クリフォード・G・ガディ 新潮社 Amazon 1985年にゴルバチョフが書記長となって1989年にベルリンの壁崩壊、エリツィンによる混乱の1990…

暴政

文庫本サイズにまとめられた暴政からのがれる道。 暴政:20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン 作者:ティモシー・スナイダー,Timothy Snyder 慶應義塾大学出版会 Amazon しっかりとした自分を持て、ネットに頼りすぎて騙されるな、めんどうくさいが民主的手続きを…

自由なき世界(下)

これこそが2010-2015の世界史 自由なき世界 下:フェイクデモクラシーと新たなファシズム 作者:ティモシー・スナイダー,Timothy Snyder 慶應義塾大学出版会 Amazon 上巻でウクライナに侵攻したロシアだが巧みな情報戦略で国際的にも何が何やらわからない状態…

自由なき世界(上)

プーチンのロシアが目指すファシズム社会 自由なき世界 上:フェイクデモクラシーと新たなファシズム 作者:ティモシー・スナイダー,Timothy Snyder 慶應義塾大学出版会 Amazon プーチンがロシアの大統領になって、それまでの共産主義 VS 資本主義では理解でき…

名画で読み解く ロマノフ家 12の物語

ロシア的、なんでもあり 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書) 作者:中野 京子 光文社 Amazon 現代ロシア=プーチンのロシアのことを調べていて、ロシアらしさとは何なのか、ぼんわりわかったような気がしたので、それを確認するためにざっくり…

プーチンのユートピア

政治家・官僚(含む大統領)≒実業家≒マフィア プーチンのユートピア:21世紀ロシアとプロパガンダ 作者:ピーター・ポマランツェフ,Peter Pomerantsev 慶應義塾大学出版会 Amazon 権力者や監督権限を持った者が、その権限を使ってとにかく自分に利益誘導しよう…

バーデン・バーデンの夏

ドストエフスキーのギャンブル依存がリアル! バーデン・バーデンの夏 (新潮クレスト・ブックス) 作者:レオニード ツィプキン 新潮社 Amazon スターリン時代のロシア人作家・医師の作者がモスクワからレニングラードにドストエフスキーの旧跡巡りの旅に出か…

カラマーゾフの兄弟

悪夢を呼び寄せる小説! カラマーゾフの兄弟〈第1巻〉 (岩波文庫) 作者:ドストエーフスキイ 発売日: 1957/02/05 メディア: 文庫 この騒ぎの中で12月だ。「カラマーゾフの兄弟」を読み始めた。20051201 深夜から「カラマーゾフの兄弟」を読み終えようと読み…

アンナ・カレーニナ

トルストイの最後を想う アンナ・カレーニナ〈上〉 (岩波文庫) 作者:トルストイ,トルストイ 発売日: 1989/11/16 メディア: 文庫 「アンナ・カレーニナ」を読み始める。扉の警句が旧約から「復讐は我にあり、我これを酬いん」ではじまり、書き出しはかの有名…

戦争と平和

最後に難関が待っている 戦争と平和 (一) (岩波文庫) 作者:トルストイ,藤沼 貴 発売日: 2015/01/22 メディア: Kindle版 第一巻を読了。もう四分の一が終わってしまった。アウステルリッツの戦いまで。20050608 「戦争と平和 第二巻」を読了。ナターシャが…

白痴

白痴〈上〉 (岩波文庫)作者:ドストエーフスキイ岩波書店Amazon白痴〈下〉 (岩波文庫)作者:ドストエーフスキイ岩波書店Amazon書き出しの展開はなかなかおもしろい。死刑の恐怖の話は死の恐怖の話につうじる。癌で6ヶ月の余命と言われて6ヶ月後に死ぬことと…

悪霊

意味不明の書き込み 悪霊(上) (新潮文庫) 作者:ドストエフスキー メディア: 文庫 上巻 20030502読了 下巻 20030517読了(Osaka) 「私」は結局 誰であったのか?途中含みを持たせたところもあったのに。

罪と罰 全3巻

すべての女は無垢で強い 罪と罰〈上〉 (岩波文庫) 作者:ドストエフスキー 発売日: 1999/11/16 メディア: 文庫 一つの幼き観念から殺人者となったロージャの観念は、女たちの無観念、あるいは超観念の世界で壊され、結末に到って放棄されようとしている。丁度…