ファイティングポーズをとれ!と言いたい
民主主義と代議制、民主主義と自由、そうした論点を明らかにしつつ民主主義の歴史を丁寧に教えてくれる。
そして最後に「平等化のメカニズムは停滞したり、一時的に逆行したりすることがあっても、最終的には平等化を隔てるさまざまな障壁を破壊して前進していくはずだ、(中略)人間を階層化し、あるいはカースト化する仕組みを一つひとつ打破してきた歴史の方向性をひっくり返し、人々を隔てる構造を新たに打ち立てることは容易ではないはず(P260)」というのが著者の結論か。
しかし、しかし、世界をそして日本を覆いつつあるフェイクな民主主義はいまそこにある脅威ではないのか。プーチンやトランプや中国や日本の世襲議員などなど平等化を損なおうとするものたちが、いずれは失敗して打破されるにしても、人生は短く、不平等なカーストに身を置いたまま一生を終えるのではないか。
楽観論でまとめず、目の前の危機に対してもっとファイティングポーズをとってほしい。