El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

死角 オーバールック

ハリー・ボッシュ シリーズ(13)

ハリー・ボッシュ シリーズ、13作目はアップテンポ。訳者解説にもあるようにNYタイムズ・マガジンに1回3000語という制約で16回の連載で完結した話に手を加えたもの。連載という形式のせいか、毎回いわゆる「この先どうなる!」で次回に続くということからどうしてもジェットコースターのように矢継ぎ早のアップダウンで少々落ち着かないところはあるが、これまでの重厚感とはまたちがった楽しみ方ができる。

Amazon Prime VideoのBOSCHではシーズン6の大半がこの本に由来。ただ9.11から20年近く経ったということで、おとりに使われるイスラム原理主義者がオルタナ右翼(トランプへの揶揄もあり?)に置換していて、そっちはそっちでスリリングな事件も起こす。やはり小説も映画もどちらも楽しめる!そこはすごい。