El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

失われた時を求めて 9

 半年で13巻中の9巻目を読了

令和になった5月から読み始めた「失われた~」。半年で13巻中の9巻目を読了した。ほぼ通勤電車に乗っている間だけKindleで読んでいるので半年間、電車=「失われた~」の状態。

「失われた~」を読んでいると、書かれているエピソードから「ああ、自分の人生でもこんなことがあった」とか「まるでオレじゃん・・・」みたいなことがよく出てくる。

結婚したくないと思っていたアルベルチーヌが「レズビアンで自分以外の人間に愛情を注いでいる」と考えるだけで嫉妬から束縛したい、独占したいと思ってしまう語り手。現実世界でも嫉妬からより好きになってしまうことがある。あるいは、そこまで好きじゃないと思っていたのに、その女性をだれかと争うことになると、どんどん突き進んでしまう。

で、ステディなカップルになったら飽きてしまう。でも他人に取られるのはイヤ。まあ、結婚生活にもそんなところがあるかもなあ・・・と思いながら。

アルベルチーヌも「結婚できるかも・・・」という思いもあって、こんなめんどくさい男と同棲している。その気持ちを逆手にとって支配しようとしながら、しきれなくて嫉妬に苛まれる。なんとも男と女。

そろそろ次巻でシャリュリュス氏が破綻するのか。今年もあと2か月。正月休みまでに読み終えられるか。