El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

「室町幕府と地方の社会」〈シリーズ日本中世史 3〉

勝った者がみな奪う、ハードボイルド室町時代

 新田開発の余地がなくなってしまった日本、自分たちの仲間が増えたら人の土地を奪うしかない。だから争いを起こして闘う!負ければ殺され、奪われ、売り飛ばされる。とにかく勝ち馬に乗り続けなければ負けたとたんにはいサヨウナラ。勝つ方を求めて右往左往するので、昨日の友は今日の敵。足利尊氏しかり、感応の擾乱しかり、応仁の乱しかり。

いつの間にか農民も武装して足軽に。足軽は生きるために徳政一揆に参加したり応仁の乱にまぎれこんだりして略奪で食いつなぐ。女は身を売る。疲れるよなー。守護大名も在地化し、戦国大名になったり、成り代わられたりして、戦国時代へ。まさにハードボイルド室町時代でした。