El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

遠い崖

遠い崖 本当に遠くて現在第3巻で挫折中です

「遠い崖」(1)を読了。全14巻という大部なものだが非常に読み応えある。幕末に日本に滞在したアーネスト・サトウの日記をベースに当時の様々な資料に依りながら創作ではなく幕末の物語を描く。このころの欧米の外交官が例えばポルトガル商人みたいであったり海賊みたいであったりという具合ではまったくなく、さまざまな人生の活路をもとめて本国での競争をも勝ち抜いて極東に来ていたことがまずわかる。また、その生活は大体において極めてストイック。20110610

言葉が自明でないこと。会議でも、言葉の解釈が様々であることが争点になること多い。まあ交渉というのはその曖昧な部分を詰めてなくしていく作業だと思うのだが、これが日本的にはなかなか難しいような気がする。日本語の問題かもしれないし、日本人の性格の問題かもしれない。結局、文理解釈こそが肝ということになるのは、まさに文系的ということ。科学的な精神にはどうにも理解しがたいことなのだ。しかし、政府を観ていても、会社でも、「遠い崖」の外交交渉でも、言葉があって、曖昧部分があって、そこをつめていってこそ・・・20110622

ちょうど仙台に着いたところで「遠い崖」3巻を読了。これが14巻、一気に読まなければ中だるみすると読めなくなってしまいそう。内容が面白いだけに挫折したくはない。日本史を世界史の視点からみることができる。また、外交交渉の緻密さや、現場のイギリス人の頑張りってこの時代はやはりすごかったんだとか。いつの時代もどこの国でも身を立てることは大変なんだとか。だからといって、歴史に名を残すなんてほとんどありえないとか。20110701・・残念ながら以後挫折・・・