El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

故郷

amok 故郷 (岩波文庫) 作者:パヴェーゼ 発売日: 2003/06/14 メディア: 文庫 パヴェーゼ「故郷」をほぼ一日で読了。イタリア文学史の中ではネオレアリズモという範疇らしい。全体の印象はジョルジュ・サンドの「笛師の群れ」を思い出させたが、amok的な行動を…

ブッデンブローク家の人々

60歳、再びマンから始めよう ブッデンブローク家の人びと〈上〉 (岩波文庫) 作者:トーマス マン 発売日: 1969/09/16 メディア: 文庫 トーマス・マン「ブッデンブローク家の人々」全三巻を読了。 「魔の山」を2003年の5月に読んでおり、その頃から日記…

ネガティブ・ケイパビリティ

答えのでない状態を耐える ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書) 作者:帚木蓬生 発売日: 2017/04/10 メディア: 単行本 一昨日買った「ネガティブ・ケイパビリティ」を読了。うーん、この用語に巡り会えたことは良かったが、帚…

応仁の乱

既得権の奪い合い 応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) 作者:呉座 勇一 発売日: 2016/10/25 メディア: 新書 室町時代への理解が深まる。すべての根っこには地位であったり経済であったりの既得権益をどう繋いでいくかにある。その過程で権益が束ねら…

具体と抽象

ま、世界は変わらんわな 具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ 作者:細谷 功 発売日: 2014/11/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) 結局、具体世界に生きるのがヤンキーということなんだね。それが悪いということはない。具体世界がないと生きては…

ある病気の運命

学んでもコロナ ある病気の運命―結核との闘いから何を学ぶか 作者:茂一, 砂原,敏, 上田 メディア: 単行本 結核が制圧されたのがまさに自分の幼少期で、そんな昔のことではないと気付かされる。現代の疫学に通じるさまざまなことが結核との闘いの中で開発され…