El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

イシューからはじめよ Audible

たまにはビジネス書も聴いてみたい

1月に新しい職場にきて6か月、仕事のほとんどが日々発生するトラブルの問題解決であることがわかってきた。問題解決のプロとしてやりがいもある・・のだが、どうしても目先の問題に追われることが多い。いわばプロブレム・ドリブンの状態。それはそれでしかたがないことではあるが、少しさびしい。

この本はイシュー・ドリブンを目指せという。つまりパラダイムが変わるような大きなテーマを自らのイシューとして設定できたり、それに取り組めたり、そんなことが真の知的生産だというわけで、それはわかる。まあ、参考にもなる。

しかし、しかし、世の中の多くの仕事はやはりイシュー・ドリブンではなくてプロブレム・ドリブンなんだよなあ、と思う。意識高い系で、研究者であったりコンサルであったりすればイシュー・ドリブンでいいのでしょうが、地に足がついた日々の仕事はそうじゃない! ま、嘆いていてもしかたがない。プロブレム・ドリブンを重ねていくうちに根底に横たわるイシューが見えてくるかもしれないし、プロブレムを末端で解決するだけではなくプロブレムが発生する原因を深く洞察するなかからイシューが見えてくるかもしれない。