El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

鹿の王 全4巻 Audible

都合のいい脆弱性問題・・・からのギブ・アップ

6月20日スタート。朝夕の徒歩通勤で聴く。地名や国名や名前がたくさん出てきてAudibleではつらい。アニメ化されているのでそちらのサイトを参考に。

6月28日から第2巻へ。結構面白い。次第に医療小説の趣き。

7月6日から第3巻へ。架空の世界・国を舞台とした医療アドベンチャー。感染症・免疫・遺伝・認知症などが独自の言い換えワードで展開されていく。コロナ後の世界で読んでみると、小説世界のメタファーより苛烈な現実を経験してしまったからか、どうも話として小さくまとまりそうな、そんな予感。コロナで、なんとなく医療モノにはウンザリという感じは世間にあるような気が。

7月13日 全体の7割ほど聴いたところでギブ・アップ! 残念。この本に限らずだが映画にせよ小説にせよ、あれほど警戒心の強い主人公が不思議なくらい無防備な行動をしてはピンチになる(これを「都合のいい脆弱性」と私は呼ぶが)、そういう展開が多すぎてリアリティが激減。

「感染症医療の発展史」を異世界を舞台にすすめるのだが、場面展開が複雑でAudibleではついていけないこともあり、さらに構成された異世界が暗すぎることもありで、プロジェクト・ヘイルメアリー(下)が待機していることもありギブ・アップに・・