大人の遠足・・・やっと読了
まず装丁(川瀬巴水の版画)がいい!
プラクティカルな経済学者・猪木武徳先生がPR誌「ちくま」に連載していた「地霊を訪ねる」シリーズが27回で終了して、それをまとめたものが出版された。言ってみれば「大人の遠足」である。主に専門分野(産業史?)である鉱山跡などを巡り、途中文学館などあれば寄り、という旅。真似してみたいという気もあるが、同好の士はいないなぁ。(最後の数章を残していたが一年がかりで読了)
- 伊那谷から中山道へ出る(長野)
「夜明け前(島崎藤村)」・日夏耿之介・福田恆存 - 笛吹川から富士川沿いに身延山へ(山梨)
「楢山節考(深沢七郎)」・石橋湛山 - 米沢から福島市を通り半田銀山跡を歩く(山形・福島)
「代表的日本人(内村鑑三)」・「昭和史発掘(松本清張)」・芭蕉 - 津山から柵原鉱山、智頭宿をぬけて岩井温泉へ(岡山・鳥取)
谷崎潤一郎・鳥取地震 - 福崎、養父を経て生野銀山へ(兵庫)
柳田国男・山田風太郎・志村喬 - 河北町から北の尾花沢を訪ね山寺へ(山形)
堀米四郎兵衛・最上徳内・ライシャワー - 金銀の島、流謫の島、佐渡の霊気にふれる(新潟)
日蓮・大久保長安・世阿弥 - 阿仁・尾去沢・小坂から十和田湖に出て五所川原へ(秋田・青森)
花岡事件・久原房之介・太宰治 - 協和町鉱山跡から院内を歩き、湯沢温泉郷で休む(秋田)
平田篤胤・「東洋経済(町田忠治)」・菅江真澄 - 日立から水戸、内原を通り袋田温泉へ(茨城)
久原房之介・小平浪平 - 熊谷から深谷を歩き秩父鉱山へ(埼玉)
妻沼聖天山(斎藤実盛)・渋沢栄一・秩父事件 - 足利から富井(篠井)鉱山跡を通り白河の関へ
足利学校・足尾銅山・田中正造・白河の関 - 登米、栗原から鶯沢の細倉鉱山へ(宮城・岩手)
伊達三傑(高橋是清・後藤新平・斎藤實) - 神岡鉱山から白山中宮温泉を経て尾小屋鉱山へ(岐阜・富山・石川)
白山・高岡瑞龍寺・一向一揆・斎藤実盛 - 松阪から尾鷲、十津川村、新宮をめぐり高野山へ(三重・和歌山)
小津安二郎・本居宣長・英国人捕虜・佐藤春夫・高野山 - 別子銅山を再訪し、西条から市之川鉱山へ(愛媛)
別子銅山・初代住友総理人広瀬宰平・鷲尾勘解治・川田順 - 安芸高田の神楽を観て、奥出雲のたたら山内を訪ねる(島根)
たたら製鉄・竹下登・俵國一・日刀保たたら - 陸前高田市から気仙沼、そして鉄都・釜石へ(宮城・岩手)
東北の製鉄・釜石への艦砲射撃・啄木 - 盛岡から八幡平の松尾鉱山跡を見て国見峠へ(岩手)
奥羽越列藩同盟とその後・原敬 - 筑豊三郡を巡り、秋月城址へ(福岡)
筑豊三炭田・古都秋月 - 久留米から三池を訪ね、天草へ(福岡)
三池炭田・北原白秋・田原坂(西南戦争) - 苫小牧から夕張・三笠の炭鉱跡を歩き五稜郭へ(北海道)
夕張炭田・空知集治監囚人労働・五稜郭 - 小諸から小串鉱山、小布施から米子鉱山へ(長野)
佐久平龍岡城・上田城・松代大本営 - 伊豆の鉱山を訪ねるー土肥・大仁・蓮台寺(静岡)
修善寺の漱石・川路聖謨 - 白神山地東の尾太鉱山跡から八甲田山麓へ(青森)
八甲田山・棟方志功と太宰治 - 石見銀山跡を再訪。柿本神社を拝観し津和野へ(島根)
石見銀山・柿本神社・津和野・鷗外 - 永野鉱山跡から菱刈鉱山を経て、知覧へ(鹿児島)
菱刈鉱山・郷・島津斉彬
(新刊購入本)