El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

シルクロード世界史

ソグド・ウイグル中心史観?

シルクロード世界史 (講談社選書メチエ)

シルクロード世界史 (講談社選書メチエ)

 

ソグド・ウイグルマニ教が世界史にそこまでインパクトあるものなにか、著者の専門領域であるがゆえの欲目なのか判然としない。前置きの、反西洋史観や世界システム論や世界史を学ぶ意義などで風呂敷が広げられた割には、ソグド・ウイグルマニ教の話で最後まで行ってしまう。スキタイや匈奴などそれ以前の専門外の分野はほぼスルー。専門範囲の記述は面白いのだが、「シルクロード世界史」というタイトルにしては対象範囲が狭く肩透かし感が強い。