El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

お殿様の人事異動

転勤社会日本の原形

お殿様の人事異動 (日経プレミアシリーズ)

お殿様の人事異動 (日経プレミアシリーズ)

 

日向延岡内藤藩が福島あたりから転封されてきたことは知っていたが、そのいきさつがかなりよくわかった。日比佳代子氏の論文(PDFでネットで入手可)の存在も教えてもらった。一次史料を研究する研究者がいて、その研究者が書いた論文を一般人にとって読みやすい形で紹介してくれる本書のような歴史読み物は研究者でもない在野の歴史好きにはありがたい。

わたしは延岡の出身。延岡七万石城下町♪と歌ってきたが(延岡ばんば踊り)、内藤家の武士団は500家族1000人程度だったようで意外にコンパクト。

転封や異動という江戸のあり方が明治以降の政府や企業の転勤人事異動文化の原形なんだな。