El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

失われた時を求めて 5

憧れは憧れのままに・・・

 第5巻(全13巻のうち)読了。この中盤の巻はそれぞれ700ページ以上あり骨が折れる。主人公が貴族社会のサロンに顔を出すようになる。ブルジョアにとっては憧れ・・。しかし、しだいに幻滅に変わるのだろう。プルーストは直接「幻滅した」とは書かないが、そこで繰り広げられる本質のない生活。その本質のなさをどう表現するのかということだ。