El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

優雅なのかどうか、わからない

中年になった庄司薫

優雅なのかどうか、わからない

優雅なのかどうか、わからない

  • 作者:松家 仁之
  • 発売日: 2014/08/28
  • メディア: 単行本
 

「火山のふもとで」でも感じたが、「赤頭巾ちゃん気をつけて」の庄司薫がそのまま職業人になったような感じ。
他の登場人物とのやり取りも何か似ている。
職業人になって、結婚や離婚をして、それでも住む家にはこだわって、そんな中、高齢者介護問題が襲ってくる。
「赤頭巾ちゃん・・・」的人生のその後・・という理解をしても面白い。
深刻にならない軽やかな感じにあの時代の庄司薫を思い出した。
なぜか瑞瑞しい青春小説っぽいのはそう感じるからか。