El librero la Fontana・ホンタナ氏の本棚

人生の最後を一番美しく過ごすのは、いつの日か、田舎、といっても町からあまり離れていないところに隠居し、今までに愛読した何冊かの本を、もう一度、書き込みなどしながら読み返すことだ。           (アンドレ・モーロワ「私の生活技術」より)

東京都同情塔

うーん、言葉遊び

文学、それも芥川賞寄りの「純文学」とはもはやこんな形なのか。SNSと生成AIを盛り込んで「言葉」をテーマに、と思いきや、言葉→バビロンの塔→塔→建築家となって、妙に言葉に拘泥する女性建築家(女性はNGワード?)が主人公。

主人公の建築に関わる言説はどうもプロとも思えない、いかにも小説家がちゃちゃっと勉強してきた中身という感じ。プロとはその分野について語りえない部分を語らないまま処理できるのだと思うが、小説だけに語らずを得ず。語ると上滑りする。

一読してはそんなイメージ。